3人のモータージャーリストが公道で乗り比べ! Vol.3【新型アルファード&ヴェルファイア徹底解剖】

【新型アルヴェル試乗レビュー】最もお買い得なグレードはZ? 全6グレードの走りや乗り味を徹底比較!

アルファード3グレードとヴェルファイア3グレードを乗り比べてみて、パワートレインやセッティングの感想を
モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が評論。グレードごとにどういう人に向いているか、お買い得グレードなども聞いてみた。

6つのグレードに乗ってみて、お買い得だと感じたのは?

最もお買い得なグレードは、アルファードのZ(ハイブリッド車)・2WD(620万円)だ。ヴェルファイアは、全車に左右独立ムーンルーフやプレミアムナッパ本革シートなどを装着するが、アルファードのZならムーンルーフはオプションになる。価格を抑えられるから車種はアルファードを推奨する。

グレードはZを選ぶ。2列目シートは十分に快適で装備も充実しており、価格はエグゼクティブラウンジよりも割安だ。パワーユニットは、自然吸気とハイブリッドがある。価格はハイブリッドが80万円高いが、購入時に納める税額は自然吸気エンジンよりも19万4000円安い。100V/1500Wの電源コンセントも装着されて、実質価格差は56万円に縮まる。ガソリン価格が160円/Lなら、9〜10万kmを走ると燃料代の節約で実質価格差を取り戻せる。

パワートレイン/セッティングの異なる全6グレード

【アルファード・エグゼクティブラウンジ(ハイブリッド車)】
アルファードの最上級グレードに位置付けられる。2列目にはエグゼクティブラウンジシートが装着され、各部の調節は電動式だ。体をマッサージするリフレッシュ機能なども備わる。乗り心地は、アルファードとヴェルファイアの中で最も快適だ。ショックアブソーバーの減衰力は、ヴェルファイアに比べて低い。タイヤサイズも、アルファードとヴェルファイアでは、唯一17インチを装着する。タイヤの指定空気圧も230kPaで最も低いため、エアボリュームの感じられる柔軟な乗り心地となった。パワーユニットは、設計の新しいハイブリッドを搭載。バイポーラ型ニッケル水素電池も採用され、動力性能を高めて静粛性も優れている。

【アルファード・Z(ハイブリッド車)】
アルファードとヴェルファイアが搭載する2.5Lエンジンをベースにしたハイブリッドは、新型になって動力性能を大幅に向上させた。エンジンとモーターの相乗効果によるシステム最高出力は、先代型は197psだったが、新型は250psだ。特に実用回転域の駆動力に余裕があり、巡航中にアクセルペダルを踏み増した時の感覚は、自然吸気のガソリンエンジンに当てはめると3.0Lに匹敵する。しかもWLTCモード燃費は17.7km/Lだから、燃料代は2.5L自然吸気エンジンの60%で済む。乗り心地もアルファードらしく快適で、内外装の質感も高い。ドライバーを含めて、すべての乗員が快適な移動を満喫できる。

【アルファード・Z(ガソリン車)】
2.5L直列4気筒エンジンは、2500rpm付近までの駆動力が少し不足している。そのために発進直後の加速にも不満が伴う。それでもエンジン回転数が3000rpm以上に高まれば、パワー不足はほとんど感じない。ハイブリッドに比べると車両重量が100kg軽いため、峠道などを走る時の運転感覚は軽快だ。車両の向きが素直に変わる。エンジンパワーがさほど高くないから、2WDでも駆動力の伝達効率に不満を感じる心配もない。そして車内は上質だ。2列目にはエグゼクティブパワーシートが備わり、固定された大型アームレストや電動調節式のオットマンなどが装着されている。アルファードらしい豪華さを味わえる。

【ヴェルファイア・エグゼクティブラウンジ(ハイブリッド車)】
新型アルファードとヴェルファイアで、価格の最も高い最上級車となるのがヴェルファイアのエグゼクティブラウンジだ。2列目にはエグゼクティブラウンジシートが装着されて装備の充実度も高い。基本的な装備内容はアルファード・エグゼクティブラウンジに準じるが、ヴェルファイアは足まわりをスポーティに仕上げた。ボディの前側には、アルファードには装着されないフロントパフォーマンスブレースが備わり、ボディやステアリングの支持剛性を高めた。タイヤサイズは19インチになり、ショックアブソーバーの減衰力も少し高められ、ステアリングホイールを回し始めた時から車両の進行方向が正確に変わる。走行安定性も高まって運転感覚も楽しい。

【ヴェルファイア・Z Premier(ハイブリッド車)】
アルファードのZ(ハイブリッド車)とエグゼクティブラウンジ(ハイブリッド車)では、タイヤサイズとショックアブソーバーが異なる。後者は明らかに乗り心地を重視する。しかしヴェルファイアは、ハイブリッド同士で駆動方式も同じなら、足まわりなどのセッティングも基本的に共通だ。車両重量の違いに応じて細かなバランスを調節する程度に留まる。ヴェルファイアの特徴とされるフロントパフォーマンスブレース、減衰力を少し高めたショックアブソーバー、19インチタイヤなどの採用で、操舵感は適度に機敏だ。スポーティな走りも味わえる。車両重量は、エグゼクティブラウンジ(ハイブリッド車)よりも60kgほど軽く、運転感覚も少し軽快だ。

【ヴェルファイア・Z Premier(ターボガソリン車)】
アルファードとヴェルファイアの中で最もスポーティな仕様が、ヴェルファイアに2.4Lターボを搭載したZプレミアだ。開発者は「ヴェルファイアの走りは、Zプレミアの4WDを軸に煮詰めた」と述べる。走りを重視するヴェルファイアの代表グレードだ。2.4Lターボは、4.0Lの自然吸気エンジンと同等の駆動力を実用回転域で発揮して、4000rpmを超えた領域の吹け上がりも活発だ。動力性能に余裕があるため、アクセルペダルを深く踏む機会が少なく、エンジンノイズも抑えられる。走行安定性も優れているが、高重心ボディに高い動力性能を与えたため、峠道のカーブを曲がる時に内側の前輪が空転しやすい。できれば4WDを選びたい。

新型アルファード&ヴェルファイア徹底解剖 まとめはこちら

新型ALPAHRD&VELLFIRE購入ガイド より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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