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意外に異なる、自動車メーカーの車種展開の歴史
1980年代半ば、アメリカでミニバンが誕生。多人数乗車のバンは以前からあったが、それよりもかなり小型のダッジ・キャラバンが大ヒットし、ミニバンと呼ばれるようになった。
日本車で対応したのがトヨタとマツダで、エスティマとMPVを北米と日本に投入している。北米に強いホンダは参入が遅く、1994年に初代オデッセイが登場。だが肝心の北米でパッとしなかった一方、オデッセイは日本で大ヒットし、日本にミニバンというジャンルを根付かせた。
日本のマーケットで話をややこしくしたのがワンボックスという存在。ミニバンより小さく多人数乗車可能なクルマが、すでに広く普及していたのである。だが1990年代、衝突安全性に対応せざるを得なくなり、ワンボックスカーは衝撃を吸収する短いノーズを備えるモデルへと進化していった。
ところが元々ワンボックスを作っていないホンダはFF乗用車をベースに作るしかなかった。だが、これが功を奏して全高が低くスタイリッシュなオデッセイのヒットにつながる。さらに1996年、室内空間を充実させたステップワゴンを登場させると、これまた大ヒット。その後はオデッセイタイプのミニバンと、ステップワゴンタイプのミニバンが続々と登場し、日本はミニバンブームに沸いた。
しかし2010年代になるとオデッセイタイプは衰退し、室内空間重視のステップワゴンタイプへ人気が集中していく。それまではメーカー毎に傾向があったりしたのだが、それも今は昔の話しとなってしまった。
ワンボックスベースで他社に先駆けた【日産】
1991年、ワンボックスのバネットをフルモデルチェンジし、短いノーズ付きのバネットセレナを登場させて、衝突安全にいち早く対応した日産。だが、高級ワンボックスだったキャラバン後継モデルはあえてワンボックスを踏襲せず、SUVのテラノをベースに、高級感たっぷりのエルグランドを登場させ大ヒット。のちのアルファード誕生のきっかけを作った。1998年にはプレサージュを登場させ、オデッセイに対抗するなど意欲的だった。
日本のミニバンの超元祖
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STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年1月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]