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Q.日本の法規にあっていないトコロもあるんですよね?
A.“その国”のルールが日本のルールに合っていないコトはある
海外で販売されることを前提に作られたモデルは、当然ながら販売する国の法規に対応したクルマ作りがなされている。例え同型車が日本で販売されていたとしても、細部を見てみるとかなり違った仕様になっていることも珍しくないのである。その箇所は車種によっても異なるが、一番大きな違いはヘッドライトだろう。右ハンドルの仕向地のものであれば問題ないが、左ハンドルの仕向地用のものではそもそも走行する車線が日本とは逆になり、ヘッドライトの配光も右側通行を前提としたものとなっている。そのため、海外仕様の車両をそのまま日本で登録しようとすると光軸が全く合わずに対向車を眩惑してしまう恐れがあり、そのまま登録はできないというワケだ。このように日本の法規に合わせて部品の交換や対策を施すことを「改善」と呼ぶのである。
Q.海外純正パーツは使えますか?
A.車検NGの可能性もありうる
日本国内で販売されている純正パーツであれば、当然ながら日本の法規に対応したものとなっているからそのまま装着しても車検に影響を及ぼすことはないが、海外向けの純正パーツに関してはその輸出先の法規に合わせた作りとなっているため、装着することで車検NGとなる可能性もゼロではない。そのため、海外純正パーツを装着したいと思ったらまず専門家に問題なさそうかどうかを相談してから購入したほうがいいだろう。
Q.US仕様のリフレクターが目立ちます!
A.イロイロ難しい部分であり……
北米仕様の車両に備わっているサイドマーカーを兼ねたリフレクター。これはアメリカの法規で装着が義務付けられているもので、USカスタムをする上では必要不可欠なものと言える。ただし日本ではサイドマーカーはその他の灯火類の扱いとなり、その基準は非常に多岐にわたる難しいもの。現行シビックのように純正でもサイドマーカー風に点灯しているモデルも存在し、一概にNGとは言えないが、後付け品は指摘される可能性は高い。
Q.灯火類にも違いがありそうですが?
A.Eマークの有無がひとつの目安か
Q.究極の“海外仕様”を狙っているんですが?
A.国内未発売モデルを狙ってみては?
究極の海外仕様とも言えるのが、海外専売車種だろう。日本では販売されておらず、海外のユーザーに向けて作られた車種であり、スバルであれば写真のトライベッカやピックアップトラックのバハ、現行モデルではアセントなどが日本では売られていない車種ということになる。これらの車両を日本で登録するためには、日本の基準に排出ガスが適合していることを証明する排出ガス試験結果証明書などが必要になり、費用もそれなりにかかってしまう。さらに灯火類などは日本の基準に適合するように改善が必要となるのである。そして当然海の向こうから日本へ運ぶ費用も発生するし、最寄りのディーラーでメンテナンスを受けることも難しくなる可能性も高い。このように数多くのハードルが存在する海外仕様車ではあるが、登録できたときの感動はひとしおだろう。
Q.左ハンドル車はなにか申請とか必要?
A.日本では左ハンドルは問題ない!
海外ブランドの正規輸入車でも一部の車種やグレードで左ハンドル仕様が存在していることからも分かるように、ハンドルの位置が左にあるからといって問題になるケースはない。それどころか右ハンドル車をベースにハンドル位置を左側に移設しても公認車検を取得すれば、全く問題なく日本の公道を走行することができてしまうのである。そのため、本来存在するハズのない左ハンドルの軽自動車、なんて車両も存在しているのだ。
Q.海外ブランドのパーツは使ってイイですか?
A.日本に販売代理店があるブランドなら安心だ
ライスロケットと形容されたこともあるほど、日本車は小さくて低価格ながらハイパフォーマンスというイメージが海外ではあるようで、海外のチューナーがリリースしている日本車向けのパーツも多数存在している。これらを装着する場合は日本の法規に則っているかを確認したい。また、エンジン系パーツなどは日本仕様と細部が異なっている場合もあるので注意しよう。日本に販売代理店があるブランドであれば安心だ。
Q.エンブレムくらいは問題ないですよね?
A.基本的には問題にならないカスタマイズメニュー
Q.並行輸入・個人輸入って大変なんですか?
A.ハードルは高いが可能。一部実質不可能な国も……
車検のスペシャリストに疑問をぶつけてみた!
(1)車検OKなら取り締まられることはないよね?
車検というのは冒頭にも説明した通り、クルマ社会の秩序と管理を目的として行われるもので、車両の安全確保や公害防止が主な目的となっている。そのため、取締りを受けるような状態では到底車検をパスすることはできない。しかし、車検をパスできたからといって取締りを受けないというわけでもなく、車検に関する保安基準と道路交通法は管轄なども違うため、車検ではチェックされない部分で取締りを受ける可能性はゼロではない。
(2)ガレージ34では『×』なクルマはどうしているの?
古くから多くの公認車検を手掛け、登録は難しいと思われるような車両も公道へ送り出してきたガレージ34の小野木さん曰く、公認車検を取得できない車両はほとんどないと豪語する。これはどこをどう改善すれば良いのかというノウハウを持っているから。チューナーがぶっ飛んだカスタマイズカーを制作するときは企画段階から助言をし、公認をスムーズに取得できるようにサポートしている。もちろん制作後の改善作業もお手の物だ。
(3)“改善”後は元(××カスタム状態)に戻してくれますよね?
公認車検を取得するために必要な“改善”の作業。これは当然ながら保安基準に適合させるために行う作業ということになる。そのため、公認車検が取得できた後もその改善した状態を維持していなければ違法改造車という扱いになってしまうから、車検取得後に前の状態に戻してほしいというのはナンセンス。せっかくプロが大手を振って公道で走行できるようにしてくれた努力を無下にするような発言は間違っても口にしてはならないのだ。
(4)新車時と継続時、イロイロ違うことがあると訊きましたよ!?
まっさらな新車を新規登録する場合と、すでに登録がなされている使用過程車と呼ばれる車両の場合、実は装着できるアイテムの扱いが異なってくる。例えば脱着が可能なキャリアや、全幅がプラス2センチ以内に収まるフェンダートリムなども使用過程車の場合は不問だが、新規登録車についてはそれを装着した状態で登録をしなければならない。そのため、オプション品のフェンダートリムなども登録後に装着する旨が記載されている。
小野木 智さん
渡辺建斗さん
※本特集で掲載している車検の情報は、陸運支局ごとの判断などにより見解が異なる場合がありますのでご注意ください。また、 整備不良や不正改造の取り締まりと見解が異なるケースもあるので、ご自身の責任にてカスタマイズを行ってください。
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SUBARU STYLE(スバルスタイル) Vol.9より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]