当初の名前は“ゲレンデヴァーゲン”!突然だけど『Gクラス』ってなんでチヤホヤされるの?|新車レビュー

【Mercedes Benz G-Class & LANDROVER DEFENDER ハイエンドSUVカスタムの世界 #009/Mercedes Benz G-Class ベース車ガイド・前編】
いま、メルセデス・ベンツGクラスが熱い。
「Gクラスって何それ? 美味しいの?」……なんていう人はスタイルワゴンの読者には少ないかもしれないけれど、でも「Gクラスなら任せとけ!」という人ばかりじゃないはず。そこで今回は、改めてGクラスについて学んでみましょう。

ロングセラーの秘訣は、伝統と格式を重んじる独自のレトロスタイル

突然だけど「メルセデス・ベンツGクラス」をご存じだろうか。もちろんここに目を通してくれている読者諸兄のことだからきっと詳しい人も多いことだろうけど、今や東京港区あたりに行くと「お金持ちになったらレクサスLMを買おうか、それともGクラスを買おうか?」というくらいの勢いで幅を利かせているクルマこそがGクラスなのだ(やや誇張あり)。Gクラスよ、お前はなんでそんなにもてはやされるのか?

というわけで、「Gクラスってどこがいいの?」とか「Gクラスってどうしてそんなにチヤホヤされるの?」というクルマ好きなら誰もが日々感じているであろう謎を解こうというのがこの企画の狙いである。

ちなみに「Gクラスに乗ると異性にモテる」という定説は本当か? 結論からいえば本当である。男女問わずメチャモテだ。(あくまで当編集部比)。だけど、そんな状況になったのはここ20年ほど。少なくとも20世紀中のGクラスは「レトロな雰囲気のツウっぽいクルマ」でしかなかった。それがいつの間にか「ツウっぽい=カッコいい」となり、気が付けば大ブレイクというわけである。うらやましいなあ。

そもそも、Gクラスはここまで有難がられる大きな理由は個性だ。その最大のポイントは同車の特徴でもある独自のレトロスタイルにある。初代デビューは1979年(当時の名称は「ゲレンデヴァーゲン」)。それから45年を経て車体設計を刷新するモデルチェンジを施した今でも、初代のデザインが貫かれている。それこそがこだわりであり、個性なのだ。そして、そのこだわりと個性が多くの人に共感され、今の地位を築いたといっていい。

“我が道を行くクルマ作り”もGクラスを孤高の存在とする大きな理由だ。たとえばドアが閉まるときのラッチ音。「ガシャ」という鈍い音は、1980年代のメルセデス・ベンツの音そのままで、悪い言い方をすれば「古臭いくてうるさい」し、いい言い方をすれば「特別感がある」。今の感覚でいえば、独特で懐かしくて、暖かみがある。今どきのクルマのスマートさとは真逆なのだ。

そんなドアのラッチ音は、2018年に施された“実質フルモデルチェンジ”の際に設計を変えて今どきの仕様(音がしない静かなタイプ)に変更することもできた。しかし、それをしなかったのはあえてで、古い構造を残しているのである。その音を人々が愛し、その音がGクラスの個性であることを開発陣がわかっていたからである。ちなみに、スマートキーとしてキーを身に着けるだけでロック/アンロックができるようになったのも昨年マイナーチェンジした最新モデルから。そんなクルマ、今どきある?

パッケージングも独自。今どきのSUVとしては驚異的に床が高く、さらに床に対しても着座位置が高いから、とにかく座る位置が上だ。周囲を見下ろす感覚が凄い。

それは1980年年代のSUV(というかクロカン4WD)としては当たり前だったけど、今どきそんなの流行っていない。「レンジローバー」や「ランクル」だってGクラスほど極端じゃないのだ。

でも、Gクラスはそれを貫いている。なぜか? それを守ることが「Gの掟」だからに他ならない。自らハードルを上げちゃっているなあ(笑)

というわけでGクラスがもてはやされる理由。それは伝統と格式を重んじ、こだわりを貫いたクラシックスタイルを守り通しているからといえるだろう。おそらく伝統を捨てた瞬間、Gクラスは凋落するに違いない。

Gクラスがモテるのはどうしてか?

それは「Gクラスの個性と伝統を理解し、世の中になびかないオレ(ワタシ)ってカッコいい」とオーナーの自己満足を巧みにくすぐるツールだからである。オンリーワンはやっぱり強いのだ。

ところで、ここまのGクラスのブレイクの震源地は、何を隠そう日本であることをご存じだろうか。2006年にメルセデスが初代「ベンツGLS」(当時の名称は「ベンツGLクラス」)を発表した当時、当初のプランはそれと入れ替えにGクラスをフェードアウトさせるというものだった。Gクラスの世界的な販売台数は今よりもずっと少なく「なぜか日本だけ人気があり、日本のために作っているような状況」と言われるほどだったのだ(当時のGクラスは今よりマニアックな存在だった)。しかし、日本での人気が欧米にも飛び火。それを受けてGクラスの生産終了をやめ、のちの“実質フルモデルチェンジ”に向かい、今の大ブレイクに繋がった歴史がある。

ちなみにGクラスは、昨年のマイナーチェンジまで数年間にわたり「受注停止」となっていた。その期間、日本の公式ウェブサイトをみるとGクラスの紹介ページこそあるものの、価格の記載が一切なかったことに気がついた人はどのくらいいただろうか?

Gクラスがもてはやされる理由

1.独特のレトロスタイル

2.我が道を行くクルマ作り

だから……とっても個性的乗れば異性にモテモテ?

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STYLEWAGON(スタイルワゴン)2025年4月号より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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