目次
アルファード&ヴェルファイアらしさに、環境性能もプラス
▶▶▶いま気になる中古車の新車当時レビューシリーズはこちらへ
TOYOTA/ALPHARD HYBRID & VELLFIRE HYBRID
トヨタ/アルファードハイブリッド&ヴェルファイアハイブリッド(20系後期) 2011年9月発表
“アルファード&ヴェルファイア”がどんなクルマか? など、本誌読者の皆サンには今さら多くの説明は不要だろう。名実ともに日本のミニバンのフラッグシップに君臨、ミニバンユーザーから不動の人気を誇るモデルだ。
ちなみに公用車など法人登録の台数でも、この両車でクラウンを上まわった(2010年)という話を聞くと、なるほどそういう時代になりましたか……と、なかなか感慨深い。
サラッとおさらいしておくと、アルファード&ヴェルファイアが2011年9月にマイナーチェンジを受けたのはご承知のとおり。さらに11月に追加設定されたのが、待望のハイブリッドだ。
ハイブリッド車自体は先代アルファードでも設定されたが、現行型およびヴェルファイアでは初。もちろん「初代にはあったのになぜ現行(とヴェルファイア)にはないの?」と、この復活(とヴェルファイアでの登場)を待ち望む声は、相当にあったらしい。
採用するシステムは「THSⅡ」で、搭載エンジンは2.4Lの4気筒、2AZ-FXE型(150ps/19・4㎏-m)。これにリア駆動用の専用モーターを組み合わせたE-Fourを採用する。
つまり先代アルファード・ハイブリッド(エスティマ・ハイブリッド)と共通という訳だ。が、新しい分の進化はしっかり実現。アルファード・ハイブリッド新旧で較べると、最高出力はエンジンが131ps→150ps、フロントモーターが13kW→105kWに向上。リアモーターも最高出力が18kW→50kW、最大トルクも108Nm→130Nmにそれぞれスペックがアップしている。
可変電圧システムの採用でバッテリーからの電源電圧を昇圧、モーターの駆動電圧も650Vと大きく高めた。要するにハイブリッドシステムのうち電気の部分をより強化、電気の役割分担を増やすことで、より好燃費を打ち出そう……というのが、あたらしいシステムの狙いだ。
室内では、ニッケル水素バッテリーを搭載するため前席左右間にセンターコンソールが設けられたのがガソリン車との大きな違い。とはいえそのデザイン処理は巧みで、アルファード&ヴェルファイアに相応しい贅沢な肘掛けが最初からそこにある……そんな印象だ。
ハイブリッド車は7名乗りのみの設定で、セカンドシートはラグジュアリーなキャプテンシート。「SR・Cパッケージ」なら旅客機のビジネスクラスの雰囲気の大型アームレスト付きシートまでおごられる。
運転席まわりはもちろん、家族やゲストを乗せる後席まわりも、非常に質感の高い空間に仕立てられているのは、なめらかな手触りのシート表皮や、スムーズなタッチの各種スイッチ類などからも実感。それらは、アルファード&ヴェルファイアならではの世界だ。
フラッグシップの快適性は健在
ハイブリッドの走りは、ひとことでいえば、どんな場面もスムースでストレスを感じない……といったところ。アイドリングストップも備わるので、街中を走る場合などその恩恵にあずかれる。
もちろん状況が許せば、モーターのみでの走行も可能。そのための「EVドライブモード」のスイッチがセンターコンソールに用意される。
反対に、やや強めの加速を試してみると、リアモーターが駆動してくれ、力強いうえ、大柄なボディを安定感たっぷりに加速させてくれる。コーナリング中の姿勢が実に安定しているのも印象に残った。
10・15モード燃費で19・0㎞/Lを達成したハイブリッドは、燃費&環境性能だけでなく、元来の快適性に、安定感たっぷりの走りまでモノにした。付けられたプライスタグはさすがにフラッグシップらしいものの、快適性、心地よさは、やはりならでは。期待を裏切らない仕上がりになっている。
システムは2.4ℓエンジン搭載の「THSⅡ」。これにリア駆動用の専用モーターを組み合わせたE-Fourを採用する。
ヴェルファイアハイブリッド ZR“Gエディション”
2011年11月のマイナーチェンジを機にハイブリッドモデルをラインアップ。写真はヴェルファイア・シリーズ最上級モデルとなる「ハイブリッドZR“Gエディション”」。
「ハイブリッドZR“Gエディション”」のコクピット。本革巻き&黒木目調4スポークステアや黒木目調ハイブリッドコンソールボックスなど、重厚感のある空間を演出。メーターはハイブリッド車専用オプティトロンメーターとなる。8型ワイドディスプレイにはナビのほかエネルギーモニターも表示する。
アルファードハイブリッド G
写真はアルファード「ハイブリッドG」。新投入されたハイブリッドモデルは、アル/ヴェルともに安定感あふれる走りを披露した。
セカンドシートにリラックスキャプテンシートを採用する「ハイブリッドG」。下から2番目のグレードだが十分豪華な仕様だ。
オットマンを装備したエグゼクティブパワーシートなど、ゴージャスな室内はガソリン車もハイブリッド車も変わらない。運転席はシートの上下やチルト(クッション上下)など8方向に無段階電動調整が可能。コンソールボックスはガソリン車と異なる。
※記事の内容、価格、スペック等は2011年11月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
※スタイルワゴン2012年3月号より