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視野が広くて運転しやすい、高剛性ボディで足も良く動く!
ノア&ヴォクシーは5ナンバー枠を基本とする箱型ミニバンとして代を重ねてきたが、新型は「TNGA(GA-C)」化もあって全車3ナンバー枠に突入している。先代でも約80%がエアロ系の3ナンバーだったから、大半の人にはより見栄えが良く、車格が1クラス上がったようにも見える新型は歓迎されるはず。
全幅の拡大は、外観の見栄えだけでなく、車内の空間拡大にも寄与していて左右のCピラー間は先代よりも75㎜広がり、開放感のある室内を生み出している。じつは、室内長は先代よりも125㎜、室内幅は70㎜狭くなっているが、Cピラー間が広がったこともあり、狭さを感じさせない。なお、最小回転半径は先代と同じ5.5mに収まっている。
とはいえ、運転に自信がないという方もステアリングを握るミニバンだから、視界は気になるところ。「TNGA」化により、新型は先代よりもアップライトな運転姿勢ではなくなり、より乗用車的な自然な姿勢になったのが特徴。大きな三角窓とブラックアウトされたフロントピラー、水平基調のインパネにより前方とサイドの見晴らしは十分にいい。なお、3列目はあえて床から座面までの高さを抑え、子どもの座り心地に配慮した。
肝心の走りも非常に高いレベルに仕上がっている。最も印象的なのが乗り心地の良さだ。「TNGA」化による高剛性ボディはもちろん、足も良く動く。路面の凹凸や高めの負荷が掛かるコーナリングでもとくにストローク感があり、しかもボディの揺れ戻しも少なく、基本的にはフラットライドに終始する。
今回は街乗り中心だったが、首都高速にも少し乗る機会があり、レーンチェンジを繰り返しても揺すぶられるようなことは少なかった。また、高速コーナリングでも少し前下がりの安定したコーナーワークでクセがなく、リアの追従性にも優れている。
新ハイブリッドの完成度はかなり高い!
パワートレーンの完成度も目を見張るものがある。最新世代の1.8Lハイブリッドは、静粛性の高さが好印象だ。モーターアシストが加わり、発進時やパーシャル域からの加速もスムーズ。それでいて、アクセル操作に対して過敏過ぎず、飛び出し感もない。
さらに、街中で50〜60㎞/h程度で流しているのであればほぼEVとして走れるし、ハイブリッドで気になる「ヒューン」という音もかなり抑え込まれている(車両接近警報装置による疑似音ではなく)。
またハイブリッドのE-Fourは、後輪のトルクを高めて操縦安定性を引き上げたようだが、街中では発進時や急加速をのぞき、FF走行が基本で、雪上などで効果を実感できるはずだ。
一方の2.0Lのガソリンエンジン車も首都高速を含めて必要十分以上の力感を提供してくれる。レスポンスも鋭く、中間加速の鋭さが先代よりも増した印象で、首都高での追い越し時もパンチ力がある。人気なのはハイブリッドになるだろうが、ガソリンエンジンらしい元気な走りを享受できるのが魅力だ。唯一、気になったのは、アクセル操作よりも先行するようなCVT由来の音の高まりで、新型は車内での音がより静かになっただけにより目立ってしまう。
また、新型にはレクサスNXに続いて最新の先進安全装備が満載された。今回は、渋滞時支援の「アドバンストドライブ(ステアリング操作支援)」機能は試すことができなかったが、ACCとレーンキープの精度の高さを確認できた。
とくに、後者の車線維持機能は、新型になったアクアやランドクルーザーでは、ドライバーに介入しているのが分かりやすく伝わってくるのが煩わしく感じることもあったが、新型ではあまり感じられなかった。静粛性や乗り心地が格段に進化したこともあり、ロングドライブでもより安全かつ快適な走りを享受できそうだ。
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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]