目次
ローダウンの手法で最も人気が高いのは“車高調”キット
クルマの車高を落としてスタイリッシュなフォルムを手に入れるためには、ローダウンというカスタムが必要となる。ローダウンは、サスペンションの交換が基本。大きく分けると、ローダウンスプリング、車高調整式サスペンション、エアサスペンションの3タイプがある。その中でいま最もメジャーで人気なのが車高調整式サスペンション、いわゆる車高調(しゃこちょう)というパーツだ。
簡単に言うとネジで長さを変えられるサスペンション
車高調整式サスペンションとは、その名の通り車高が調整できるサスペンション。ローダウンスプリングはサスペンションのバネの部分のみを交換して車高を下げるため、装着後の車高調整はできない。車高調は、簡単に言うとサスペンションのショックアブソーバー(棒のような部分)にネジが切られていて、それをクルクルと回すことでミリ単位で車高を調整できるのだ。
車高調が人気の理由はこの車高調整ができるということ。車高調整幅というのが製品ごとに決まってはいるが、その範囲であれば、自由に車高を選択できるというのが最大の魅力だ。
それ以外にも、減衰力という乗り心地の硬い柔らかいを決める調整や、ホイールの傾きを変えるキャンバー調整など付加機能を持った車高調も多く、車高やホイールとの関係性という見た目に加えて、乗り心地も好みに近いセッティングができるという幅の広さも魅力だ。
車高に関わる部分はココ
車高調の中で、車高に関係してくる部分は大きく2つ。車高調整ネジは前述の通り、ここを回すことで車高の上げ下げができる。また、多くの車高調は車種毎に設定されたスプリングがあるが、物によってはオプションでバネレート(バネの硬さ)が異なるスプリングに交換することもできる。バネレートを変えることで、車高や乗り心地も変わってくる。
車高調整の仕組み
車高調は車高調整の仕組みの違いで大きく2タイプに分かれる。サスペンション全体の長さを変えることで車高を調整する全長調整式と、全長は変わらずスプリングの受け皿の位置を変えることで車高を調整するネジ式だ。現在の主流は全長調整式で、メリットは車高を調整してもスプリングの伸び縮みに変化を与えないため、乗り味を変えずに車高を調整できるということ。ネジ式のメリットは構成パーツが少ないので、価格がリーズナブル。
車高調の知っておきたい部位
車高調は色々なパーツが組み合わさってできているが、仲間内でカスタム談義を楽しむなら、ぜひ覚えておいた方がいいキーワードをピックアップ。
他にもこんな言葉を知っておくと便利です
プリロード
スプリングに掛けている負荷の指標のことを表し、スプリングを締め上げることで負荷を上げていく。負荷が上がれば上がるほど乗り心地は硬めになり、クルマは跳ねやすくなる。
バネレート
乗り心地にも関わる要素として、バネレートがあり。これはバネの硬さを表し、スプリングを1mm縮める時に必要となる重さの数値のこと。数値が小さいほど柔らかく、大きいほど硬くなる。
複筒式
1つの筒の中にもう1つ細い筒が入っているのが複筒式の特徴。ストローク量が確保しやすく、乗り心地も良い。複筒式よりも製造コストを抑えることができ、ストリート向けに多く採用される。
単筒式
1本の筒の中にオイルとガスが入っており、同じく内蔵されたピストンバルブでオイルとガスを完全に仕切っている。複筒式よりもオイル量を多くできるので、安定した減衰力を長期に渡り維持。
もっと手軽に車高を落としたい! アップ/ダウンスプリングって!?
車高調は昔に比べてかなりリーズナブルになったとは言え、少なくとも工賃込みで10万円ほどはかかる。減衰力調整機能やキャンバー調整などの付加機能が加わると、製品単体で15〜20万円というのが基本だ。もっとリーズナブルにローダウンを楽しみたいという人は純正スプリングと交換するだけで車高を変えられるダウンスプリングがお薦め。車高調整はできないが、製品単体で4〜5万程度。主流は車高が下がるローダウンスプリングだが、最近はリフトアップタイプも人気。