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開発の背景
近年、自動車業界を始めとしたモノづくり業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラル達成に向け、これまで以上にエネルギー低損失化が求められている。そして、自動車のホイールを支えるハブユニットの低トルク化は、燃費に直結するため必要不可欠な技術である。
一方、ハブユニットで発生するトルクの約半分を占めるシール部で使用されているニトリルゴムは、ハブユニットのみならず、様々な分野でシール材料として使用されているが、低摩擦とゴム 物性(強度・耐熱性・耐摩耗性など)は背反事項となり、これらを両立させることが課題となっていた。
また、一般的に、ニトリルゴムには、耐油性、耐摩耗性、引き裂き強度に優れる一方で、耐寒性が他のゴムより劣る性質がある。
市場のグローバル化が進み、従来よりも過酷な環境で当社のハブユニットが使われることを想定し、シール用ゴムの使用可能温度範囲を拡大することが重要課題となっていた。
開発品の特長と嬉しさ
① 低トルク化
今回の今回の開発ゴム材のシールへの適用により、▲10%のシールトルク低減を実現した。
② 高い密封性
-40°C以下の極寒環境下でもゴムが弾性を失わないため、シールの密封性を維持でき、 北米やロシアなどの極寒冷地においてもハブユニット内部への泥水浸入を防止できる。