パナソニック:車載ECUのロードダンプサージ保護用「ZNR高エネルギーバリスタ」を製品化

パナソニック インダストリーは、自動車のロードダンプサージ[1]からECU(Electronic Control Unit)を保護する「ZNR(R)[2]高エネルギーバリスタ[3]」を製品化した。2022年3月より量産を開始する。

 環境意識、安全意識の高まりから、二輪車を含む自動車の電子化・電動化が進み、搭載されるECUの数が増加。また、エンジン等の発熱部近傍への搭載も増加し、ロードダンプサージ保護用デバイスの耐熱性への要求が高まっている。

 パナソニックは、1968年に世界で初めて「ZnOバリスタ(酸化亜鉛バリスタ)」の開発実用化に成功。以来、長年培ってきたバリスタ技術を生かしロードダンプサージ対策用バリスタの耐熱性向上に努め、このほど、車載でより広範囲な使用用途に対応できる「ZNR高エネルギーバリスタ」を製品化した。

<特長>
・ 独自構造により、 たわみ強度と業界最高レベルの耐熱温度150℃の両立を実現
・ 優れた製品特性(耐ロードダンプサージ性能 制限電圧[4])で車載ECUをサージから保護
・ 小型化と軽量化の実現で、 省スペース化、 環境負荷を低減

<用途>
車載ECU等のロードダンプサージ保護(ライティング、 エンジン制御、 電子メーターのECU及びUSBチャージャー等)

[1]ロードダンプサージ
自動車のエンジン動作時にオルタネータがバッテリーを充電している状態で、 バッテリーへの接続が途絶えた時に発生するサージ。
[2]ZNR(R)
ZNRは、 Panasonicの登録商標名で、 酸化亜鉛を主原料とした印加電圧によって抵抗値が変化する電圧依存性セラミック抵抗器(バリスタ)。 2018年電気技術顕彰「でんきの礎」(電気学会)受賞。
[3]バリスタ
非直線性抵抗素子の意味であり、 名称はvariable resistorに由来。 1968年にパナソニックが開発実用化に成功した世界初の「ZnOバリスタ(酸化亜鉛バリスタ)」は、 雷サージなどの過電圧対策技術に革命を起こし、 高度情報社会とエネルギー社会の発展に貢献。
[4]制限電圧
サージ電圧が印加された時、 バリスタによって抑制される電圧。 標準的なインパルス電流波形(8/20 us)を印加して、 バリスタの端子間電圧を求める。

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部