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今回技術賞に選定された日本板硝子の「ADASカメラ用防曇機能付きガラス」は、カメラ前方のガラス部分の曇りを防止し、運転支援システムを正常に作動させる技術である。従来は、電力を使いヒーター等でガラスの曇りを防ぐのが一般的だったが、環境負荷の低い自動車開発が進む中、消費電力の少ない防曇技術開発が求められてきた。又、始動時など、多様な状況下で時間を掛けずに曇りを発現させない商品も期待された。そうした状況を背景に日本板硝子は、以下の技術を開発した。
(1)長年培ってきたゾル-ゲル法コーティング技術を応用した車両用防曇コーティング技術の開発
(2)高耐久・低コストなフィルム化技術の開発
(3)三次元曲面ガラスに高精度にフィルムを貼り付ける技術の開発
これまで実用化の難しかった長期間にわたって防曇機能が維持できる高耐久・高性能な防曇機能付き車両用ガラスの量産化に成功した。現在、このガラスは複数の車両モデルに採用され、継続的に生産されている。今回の受賞は、日本板硝子の防曇技術がADASの安全性を高め、さらに自動車分野にとどまらず、ドローンや家電など今後の用途展開にも期待される技術であることが評価されたものである。
受賞内容
表彰名:第76回日本セラミックス協会技術賞
受賞内容:先進運転支援システムカメラ用防曇機能付きガラスの開発と実用化
受賞者:研究開発部 大家 和晃、寺西 豊幸、宮本 瑤子、下川 洋平
実施団体:日本セラミックス協会