NEDO:ドローン・空飛ぶクルマの性能評価手法と運航管理技術の開発に着手

図1 次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(Realization of Advanced Air Mobility Project:ReAMoプロジェクト)」において、次世代空モビリティ(ドローン・空飛ぶクルマ)の性能評価手法や運航管理技術の開発事業を、12件採択した。

本事業では、次世代空モビリティについて、以下の3つの開発が連携して行われる。NEDOは本事業を通じて、ヒト・モノの低高度空域での、人手を介さない効率的で安全・自由な移動の実現に貢献する。

【1】次世代空モビリティの安全性向上・高性能化のための、機体性能を適切に評価する性能評価手法の開発
【2】操縦者が1人で複数のドローンを安全に運航する「1対多運航」を実現するための要素技術と当該技術に対する性能評価手法の開発
【3】低高度空域を飛行するドローンや空飛ぶクルマと航空機がより安全で効率的な航行を行うために必要となる運航管理技術の開発

1.概要

次世代空モビリティ(ドローン・空飛ぶクルマ)はヒト・モノの新しい移動手段として、また物流分野やインフラ点検分野などを効率化する新しい手段として注目され、機体や運航管理技術などの研究開発や実証実験、法整備などのルール作りが進んでおり、今後の市場拡大が期待されている。

ドローンについては、2022年12月からの「有人地帯における目視外飛行」(以下、「レベル4飛行」という。)の実現に向けて2021年6月に改正航空法が公布され、機体認証制度、操縦ライセンス制度の創設および共通運航ルールが拡充された。また、「第18回小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」にて「空の産業革命に向けたロードマップ2022※1」がとりまとめられ、レベル4飛行に向けた取り組みとレベル4飛行実現後のドローンのさらなる社会実装への取り組みが示されている。空飛ぶクルマについては、これまで機体の安全基準、運航安全基準、操縦者の技能証明などの制度にかかる検討や、短期的なユースケース、中長期的な実装の流れなどの検討が行われてきた。これらを踏まえ、2022年3月の「第8回空の移動革命に向けた官民協議会」においては「空の移動革命に向けたロードマップ※2」が改訂されており、その中では、2025年の大阪・関西万博における空飛ぶクルマの商用運航の実現とそれに向けた制度整備、万博やその後の空飛ぶクルマの事業化を見据えた早急な技術の開発も求められている。

このような背景の下、NEDOは、本年度から新規に5年計画で「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト[ReAMo(リアモ)プロジェクト]」を実施する。本プロジェクトは、【1】次世代空モビリティの安全性向上・高性能化のための、機体性能を適切に評価する性能評価手法の開発、【2】操縦者が1人で複数のドローンを安全に運航する「1対多運航」を実現するための要素技術と当該技術に対する性能評価手法の開発、【3】低高度空域を飛行するドローンや空飛ぶクルマと航空機がより安全で効率的な航行を行うために必要となる運航管理技術の開発など、次世代空モビリティの実現に必要な技術開発を実施する研究テーマで構成され、公募の結果、12件の事業を採択した。

図2 ドローン・空飛ぶクルマの社会実装イメージ画像

2.事業内容

事業名: 次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)
予算: 29.3億円(2022年度)
実施テーマ: 研究開発項目〔1〕「性能評価手法の開発」
(1)ドローンの性能評価手法の開発
(2)空飛ぶクルマの性能評価手法の開発
(3)ドローンの1対多運航を実現する安全性評価手法の開発
(4)ドローンの1対多運航を実現する機体・システムの要素技術開発 研究開発項目

〔2〕「運航管理技術の開発」 ドローン・空飛ぶクルマ・既存航空機の空域共有のあり方の検討・研究開発
調査項目〔1〕「海外制度・国際標準化動向調査」
調査項目〔2〕「全体アーキテクチャ・要素技術調査」
調査項目〔3〕「国内外への成果発信」

事業期間: 2022年度~2026年度(5年間):
研究開発項目〔1〕(1)(2)、研究開発項目〔2〕、調査項目〔1〕〔2〕〔3〕

2022年度~2024年度(3年間): 研究開発項目〔1〕(3)(4)

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部