今回のシリーズC株式投資は、ボルグワーナーのテクノロジー投資戦略や、年初に行われた投資家向け説明会において発表されたチャージング・フォワード電動化戦略の一環として実施された。発表の中で、ボルグワーナーは電動化への移行を加速させ、EVテクノロジーの総売上高に占める割合を2030年に45%まで引き上げるという目標を明らかにした。同戦略の中で、顧客の電動化シフトをサポートすべく、テクノロジー開発に力を注ぐとともに、パートナーシップや出資なども重点的に推し進めていく。
CelLink社はカリフォルニア州サンカルロス市を拠点とし、電力やデータの伝送能力を備えるバッテリーなどのデバイスの電気的、熱的および機械的システム特性を向上させる革新的なフレキシブル回路を提供している。 同社の回路は、従来のフレキシブル回路より軽量、占有スペースが少なく、高い導電性と熱伝導性を誇る。また、コストで有利な上、より広範囲をカバーすることができる。しかも、専用設計の製造設備が不要。この回路が適しているのはEV用バッテリーだけではない。高出力と高速のデータ伝送能力を単一のフレキシブル回路に組み合わせることにより、次世代の電子アーキテクチャが実現し、車載の配電システムを劇的に簡素化する。
ボルグワーナー最高技術開発責任者のハリー・ハステッド氏(Harry Husted)は「CelLink社の優れた回路技術は、バッテリーパックや次世代の車載配線をはじめ、自動車向けの幅広い領域に適応し、当社のチャージング・フォワード電動化戦略とも密接に連携しています。電動化の目標実現に向けた数々の取り組みがありますが、今回の出資はその一環として位置づけられています。これにより、すべての主要市場における当社製品の競争力が強化、補完され、当社がビジョンとしているクリーンでエネルギー効率の高い世界の実現がさらに加速されるものと期待しています」と述べている。
CelLink社のCEO、ケビン・コークリー氏(Kevin Coakley)は「自動車業界では電動化が定着しつつあり、複雑さと重量を最小限に抑えるインテリジェントな配線システムがこれまで以上に業界で重要な課題になっています。当社の製品が将来の輸送手段の電動化に大きな影響を及ぼすことになると思いますが、それを後押するボルグワーナーの出資を大きく歓迎します」と述べている。
ボルグワーナーの出資は、Celink社の成長に向けた次のステップとなる生産能力拡大をサポートすることになる。