供給されるドライ用タイヤは天然ゴム、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど各種自然由来の配合剤を活用するとともに、リサイクル鉄や廃タイヤから再生したリサイクルゴム、さらにマスバランス方式※の合成ゴムを採用することで原材料全体の約33%をサステナブル素材としながら、2022年の現行タイヤと同等の性能が維持されている。
※原料から商品への加工・流通工程において、使用したバイオマス由来の原料と同じ重量だけ商品へバイオマス由来という特性を割り当てることができる手法。バイオマス由来の原料を割り当てられた商品については、実際のバイオマス由来原料の含有量とは関係なく、バイオマス由来商品としてみなされる。
サステナブル素材を活用したレーシングタイヤの供給は、スーパーフォーミュラを統括する日本レースプロモーションが昨年10月に発表したプロジェクト「SUPER FORMULA NEXT50(ゴー)」に賛同して実施される。同プロジェクトではSDGsやカーボンニュートラルなど自動車、モータースポーツ業界を取り巻く環境変化に対応するため、サステナブルなモータースポーツ業界づくりを目的として様々な企業が推進している。
横浜ゴムはレーシングタイヤにおいて、走行性能を損なわずにサステナブル素材を採用していくことを目標に定め、今シーズンのスーパーフォーミュラ各大会の前後に設定された次期フォーミュラカーの開発テストに合わせてタイヤテストを実施してきた。2023年以降も更なるサステナブル原料比率の引き上げに向けて、タイヤ開発が進められる。
横浜ゴムはモータースポーツ活動を先行技術開発および「ADVAN」「GEOLANDAR」ブランド強化の場と位置付け、トップカテゴリーからグラスルーツカテゴリーまで国内外の多岐にわたるモータースポーツ競技で培った技術を高性能・高品質な新車用および市販用タイヤの開発にフィードバックしている。また、サステナビリティ経営において「未来への思いやり」をスローガンに掲げ、事業活動を通じた社会課題への貢献を持続的な企業価値向上に繋げていく。サーキュラーエコノミーではサステナブル素材の使用率を2030年に30%以上、2050年に100%に引き上げることを目指している。