NTN、リヤ用小型・軽量ドライブシャフト「Rシリーズ」の販売を拡大

「Rシリーズ」の構成
NTNは高級車に多く採用されている後輪駆動車に最適なリヤ用小型・軽量ドライブシャフト「Rシリーズ」の販売を拡大している。省燃費・省電費化に向けて自動車構成部品の小型・軽量化が進む中、リヤ用ドライブシャフトとして世界最小・最軽量となる本シリーズの適用による高い燃費改善効果が評価され、各社の後輪駆動を主とするSUVやEVに広く採用されている。

世界最小・最軽量を実現 燃費改善効果が高い評価を獲得

ドライブシャフトはエンジンやモータなどのパワートレインユニットの動力(トルク)をタイヤに伝える部品で、タイヤ側(固定式)とデファレンシャル側(しゅう動式)の2つの等速ジョイント(CVJ)とそれらをつなぐシャフトで構成される。リヤ用小型・軽量ドライブシャフト「Rシリーズ」は、NTNが2015年に開発した「リヤ用軽量ドライブシャフト」の設計をベースに幅広いサイズバリエーションを取り揃えたシリーズで、後輪駆動の内燃機関車や電気自動車(EV)に適用が可能である。

従来、リヤ用ドライブシャフトにはフロント用CVJが流用されてきたが、「Rシリーズ」は、リヤ用に必要な作動角や機能に限定した形状への最適化を図るとともに、肉厚を薄くした中空シャフトとコンパクトブーツを採用している。これら各構成部品の見直しにより、必要な負荷容量を確保しながら、フロント用CVJとして世界最高水準の小型・軽量を実現していた従来品よりもさらに30%軽量化、外輪外径を3~5%小型化し、リヤ用CVJとして世界最小・最軽量を実現している。

脱炭素化社会を背景に自動車のCO2排出量の削減への対策が進む中、ドライブシャフトの軽量化へのニーズはこれまで以上に高まっている。「Rシリーズ」の軽量化による燃費改善効果をJAPIA LCI算出ガイドラインに基づき内燃機関車で試算した場合、従来品適用車両に対して燃費は0.05%の改善、CO2排出量は0.075g/kmの削減効果が見込まれる。こうした高い環境性能が欧州をはじめとする国内外の自動車メーカに高く評価され、採用につながった。2018年に量産が開始されて以来、着実に販売が拡大されている。

今後、燃費規制が一層厳しくなる中、後輪駆動形式が採用される傾向にある高級車への適用の可能性が広がるほか、EVにおいては走行性能を向上させるために車両の前方と後方にそれぞれパワートレインユニットを配置する四輪駆動車(4WD)が増加する傾向にあり、軽量を特長とする本シリーズの需要はさらに高まることが見込まれる。

「Rシリーズ」の特長

軽量化従来品比30%低減
(中型クラスの後輪駆動車に適用されるドライブシャフトの場合:2.2kg軽量化)
小型化従来品比CVJ外径で3~5%低減
作動角度19度(固定式、しゅう動式)
適用箇所

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