パナソニックのスマートフォン向け新世代ワイヤレス充電器を「新型アルファード/ヴェルファイア」が採用

パナソニック オートモーティブシステムズの新世代ワイヤレス充電器が、トヨタ自動車の「新型アルファード/ヴェルファイア」(2023年6月21日発売)に採用された。本機は従来品に対して体積比3.6倍の充電範囲を実現するだけでなく、より幅広い形状のスマートフォンを高効率で充電できることが特徴だ。

本製品は、従来のムービングコイル方式に加え独自の充電アルゴリズムを採用することで、従来品に対して体積比3.6倍の充電範囲を実現し、より幅広い形状のスマートフォンを高効率で充電することができる。また、本製品は商品力向上に大きな成果を上げたことを評価され、トヨタより2023年度「新型アルファード・ヴェルファイア プロジェクト表彰 技術の部」を受賞した。

パナソニック独自のムービングコイル方式は、スマートフォンを充電トレイに置くだけで、充電最適位置にコイルが移動して充電を開始する。幅広い形状のスマートフォンに対応できるほか、低い熱損失、高い充電効率を維持することが特長となっている。また、走行時の振動でスマートフォンの位置ずれが発生し充電が停止した場合でも、ずれたスマートフォンの位置を検知し、充電器側でコイルが位置補正することで、自動で充電を再開する。

開発技術の概要

  1. 高効率充電を実現する新開発「ムービングコイル方式」で従来品に対して体積比3.6倍の充電範囲を実現。スマートフォンケースなどを装着した状態でも高効率な充電が可能。
  2. 安全な充電環境を確保するワイヤレス充電共通規格「Qi」とその15 Wの急速充電に対応。
  3. 充電器本体の軽量化を実現。

開発技術の詳細

(1)ムービングコイル方式

スマートフォンとワイヤレス充電器の充電コイル位置が数ミリずれていても、電流損失が発生して充電効率が下がるほか、電流損失に起因する発熱で、加熱したスマートフォンが充電機能を停止させるケースがある。
ムービングコイル方式は、端末側のコイルを検出し、そこに充電器側のコイル位置を合わせることで、端末の形状や位置ずれを問わず、高効率な充電を実現する。また、独自のアルゴリズムによる充電コイル制御で従来品に対して体積比3.6倍の充電範囲を実現している。

充電器のコイルが、スマートフォンのコイル位置に合わせて、前後に動きます。両者の位置を合わせることで、高効率な充電を実現します。
独自の充電コイル制御により水平方向と高さ方向に広い充電範囲を実現し、スマートフォンケースを装着した状態や厚みのあるカメラレンズを搭載したスマートフォンでも高効率な充電が可能。

(2)ワイヤレス充電共通規格「Qi」対応

「Qi」規格は、「Wireless Power Consortium(WPC)」が定めるワイヤレス国際充電規格であり、スマートフォン等を対象とした15 W以下の低電力向け規格である。本製品は、「Qi」規格に対応し、ユニバーサルで安全なワイヤレス充電環境を提供します。Qi規格のver1.3.2に対応している。

(3)軽量化

ソフトウェアと部品構成の見直しにより、従来製品の充電範囲を体積比3.6倍と凌駕し、かつ、モーター数を削減。55 gの軽量化を実現。

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