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固体酸化物形燃料電池 SOFCの特徴
日産は、2016年に固体酸化物形燃料電池(SOFC)を発電装置とした燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」の技術を、自動車の動力源として世界で初めて車両に搭載した。その車載用SOFC開発の経験を生かして、本技術を定置型発電システムへ応用する。
SOFCは、エタノール、天然ガス、LPガスなどのさまざまな燃料を使って発電することができる。これらの燃料を高温で作動する改質器を使って酸素と反応させ、発生した水素を利用して発電を行う。高温で作動するため触媒の活性度も高く、固体高分子形燃料電池(PEFC)の発電効率が60%であるのに対して、日産SOFCの燃料電池単体の発電効率は70%という高効率が実現される。
今後は、SOFCスタックの構成部品であるメタルサポートセルを開発し、セル強度を向上する。その結果、起動停止時間の短縮や急な出力変動要求に対する負荷追従運転が可能となり、将来的に再生エネルギーとの連携を行う場合に、効果的なSOFCシステム運転が可能となりる。
原料ソルガムバイオエタノールの調達
今回の定置型発電システムでは、バイネックスと共同開発したソルガムを原料としたバイオエタノール(以下ソルガムバイオエタノールと表記)を採用し、同社より調達する。
ソルガムバイオエタノールはSOFC発電時にはCO2を放出するが、そのCO2はソルガムが成長する過程で大気中のCO2が吸収されたものであり、CO2の増加をゼロに近づけることが出来る「カーボン・ニュートラル・サイクル」の実現に貢献する。
■ソルガムの特徴
- イネ科の一年草植物で、生育が早く、約3ヵ月で収穫できるため、栽培適地では年に複数回収穫ができる
- 寒冷地や乾燥地にも順応できため、幅広い地域や土壌での栽培が可能
- 茎部分をエタノールの原料、実部分は食料に使用するため、食料との競合が発生しない
- 搾汁後の茎の絞りカス(バガス)もバイオマス発電に活用できる可能性がある