~車載用タッチパネルに加え、5G通信用透明アンテナ等へ展開~

東レ:感光性導電材料RAYBRIDの低抵抗化技術を開発

東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、感光性導電材料RAYBRID®のシート抵抗を従来比1/8に低減する低抵抗技術を開発しました。本技術を適用したRAYBRID®は、大型化が進む車載用タッチパネルに加え、5G通信用透明アンテナや透明ヒーターへの展開が期待できます。

 RAYBRIDは、独自の粒子分散技術と感光樹脂設計により微細配線の形成が可能な材料で、スパッタや蒸着による銅などの金属薄膜の配線加工と比較して、シンプルな工程が適用できるという特長がある。車載用途の厳しい信頼性水準をクリアする幅4μm以下のメタルメッシュ配線の形成を実現し、これまで大画面化が進むカーナビゲーション用途等で採用が進んできた。しかし、非接触タッチパネルに向けた高感度化や、更なる大画面化に向け配線の伸長が進むために、一層の低抵抗化が必要である。

 東レは、粒子分散技術の深化によりナノ導電粒子をさらに緻密に充填することで、シート抵抗を従来品対比1/8に低減し、可視光透過率90%以上の透明度に優れたメタルメッシュパターンにおいて、シート抵抗2Ω/□と金属メッシュ並の低抵抗化を実現した。

 さらに、安全の観点から外光反射抑制へのニーズが特に高まっている欧州では、タッチパネルの反射率は0.15%以下が要求されている。東レは、独自の感光性黒色材料を用いた配線黒化プロセスの構築により低反射技術を開発し、低抵抗と微細配線形成性を損なうことなく、タッチパネルの反射率0.1%以下を達成し、ぎらつき抑制と視認性向上を実現した。

 これら新技術をRAYBRIDに組み込んだ材料は、低抵抗、低反射、フレキシブル、かつ高い信頼性を有することから、金属メッシュに代わる配線材料として期待できる。

 本開発品は、大型化が進むタッチパネルだけではなく、低抵抗・視認性・信頼性が要求される5G通信用透明アンテナや透明ヒーターの配線材料への展開を進めていく。また、繰り返し折り曲げても電気抵抗が変化しない高い屈曲耐性を有することから、フレキシブルタッチセンサー等、次世代に期待される幅広いデバイスへの適用も目指していく。

1) メタルメッシュ配線
タッチパネルの表示部に銀や銅などの金属を細い格子状に張り巡らせた電極。4μm以下の微細配線を形成することで、視認性に優れたタッチセンサを作ることができる。また、屈曲性に優れている特徴がある。

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