高度化する通信基地局やサーバーなどの電源回路の信頼性を向上、高温長寿命・高い耐湿性を実現

パナソニック:導電性高分子アルミ電解コンデンサ「SP-Cap JXシリーズ」を製品化

パナソニック インダストリー社は、5Gなど高度化する通信基地局やデーター通信量が増加するサーバーなどの電源回路に用いられる業界最長の耐久性を保証した「導電性高分子アルミ電解コンデンサSP‐Cap JXシリーズ」を製品化した。2021年12月より量産を開始する。

 導電性高分子アルミ電解コンデンサとは、電解液の代わりに導電性を有する固体電解質である導電性高分子(導電性ポリマー)を用いたアルミ電解コンデンサの総称。構造としては、従来のアルミ電解コンデンサのように巻回構造のものと、積層構造のものがある。導電性高分子(導電性ポリマー)は、電導度が高く、優れた低ESRの特性を有する。なお、SP-Capはパナソニックの登録商標。

 通信基地局の高度化に伴い、電源設計において、大容量に加えて高温・高湿度に対する耐久性が高い長寿命のコンデンサが求められている。パナソニックは、独自技術により高温環境下において同社従来品(導電性高分子アルミ電解コンデンサ・HXシリーズ)の3倍となる長寿命(125℃ 3000時間保証)と高温・高湿度下での高い耐久性(85℃・85% 1000時間保証)を実現した。また、同社の導電性高分子アルミ電解コンデンサの特長である低ESR(9mΩ/100kHz)と大容量特性により電源回路の安定化を図る。

 パナソニックは、高い信頼性を持つ「導電性高分子アルミ電解コンデンサSP-Cap JXシリーズ」で電源回路の信頼性の向上に努めるとともに、環境負荷の低減に貢献する。

 今後JXシリーズでは低ESRおよび定格電圧・静電容量のラインアップの拡充を予定している。

ESR(Equivalent Series Resistance):等価直列抵抗のことで、電解コンデンサが持つ等価回路上の抵抗成分。この値が低いコンデンサほど、リプル電流を多く流せる。また、ノイズ吸収性にも優れている。

【特長】

業界最長※1耐久性保証を実現
 パナソニックのSP-Capは、アルミ電極箔を積層した構造でコンデンサを構成している。今までに培ってきた独自技術である導電性高分子の形成技術と製造プロセス技術と組み合わせることで従来の3倍となる125℃ 3000時間の耐久性保証と、更には85℃85% 1000時間の高温高湿保証を実現した。

<高温長寿命>
同社従来品の3倍の高温長寿命化を実現(導電性高分子アルミ電解コンデンサ・HXシリーズ比)
125℃ 3000時間保証
同社従来品:125℃ 1000時間保証(導電性高分子アルミ電解コンデンサ・HXシリーズ比)
<耐高温高湿>
85℃85% 1000時間保証
同社従来品:60℃90% 500時間保証(導電性高分子アルミ電解コンデンサ・HXシリーズ比)

優れた製品特性(低ESR特性・大容量特性)で電源回路の安定化に貢献
 独自技術によるコンデンサ内部の素子の低抵抗化と高容量電極箔の採用により、高温長寿命で、かつ低ESR(9 mΩ/100 kHz)を実現。高信頼の観点で、更に耐久後のESR規格を初期規格値の2倍以内に規定。

省スペース化が図れ、環境負荷を低減
 MLCC(積層セラミックコンデンサ)と同等の実効静電容量で員数を削減。複数のMLCCをSP-Capに置き換えることで、省スペース化が図れ、機器の小型化を可能にし、使用部材の削減による環境負荷の低減につながる。

【用途】

通信基地局・サーバー・アクセラレータなどICTインフラ業界およびインダストリー業界、産業用コントロールボード他、電源回路の出力側用途

【基本仕様】

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