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内燃機関超基礎講座

上の試作エンジンはボア83mmの2.0ℓ4気筒ガソリンエンジンである。燃焼室はいちばん下に箱のように見える部分であり、露出しているところはバルブ駆動系である。また、上に載っている箱はバルブ駆動のための制御ユニットであり、通常のカムシャフトは存在しない。したがってカムスプロケットもカム駆動チェーンも可変バルブタイミング機構も不要である。このシステムそのものが可変バルブタイミング&可変バルブリフト機構である。

開発責任者のロジャー・ストーン氏によると「15~20%のCO2低減効果が期待できる。システムそのものはインライン2バルブでも対向4バルブでも対応できる。どんなエンジンにも組み合わせが可能」という。下のイラストがその作動機構であり、バルブごとにモーターを持つ。バルブ開閉はモーターの正転/逆転で行ない、カムを介してバルブは上下する。バルブ閉じはばねの力ではなくモーター逆転とカムで行なう。つまり強制開閉方式であり、デスモドロミックの現代版である点が特徴である。

8つのステーターを持つモーターがバルブごとにありカム端がローター。そのカム形状に沿って強制開閉機構が作動する。モーターに流す電流値と流すタイミングでバルブリフト量と開閉タイミングを自由に変えられる。「中間位置でのバルブ静止も可能」だという。このセットで2バルブにするか、反対側にもう1セットを置いて4バルブにするか、あるいは3バルブか、組み合わせも自由である。

バルブステムが燃焼室に入る部分。バルブとプッシュロッドは分離されておりバルブ挟み角の設定にも自由度があるという。エンジン回転限界を尋ねると「7000rpmは回る」とのこと。DOHC4バルブでは2組のユニットが要る。
上の実機の樹脂モデル。バルブ挾み角は自由。プッシュロッドとバルブステム頂点はこのような形状。すべて機械加工であり部品点数は増えるが、全体で考えれば現在のカムトレーンと大して変わらないだろう。システム開発はほぼ終了しているという。

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