デンソー:USJCと、車載パワー半導体の生産において協業

USJC三重工場(三重県桑名市)
デンソーとユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン(USJC)は、車載半導体の需要拡大に対応するため、USJCの300mmウェーハ製造工場におけるパワー半導体生産で協業することに合意した。

USJCのウェーハ製造工場に絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)製造ラインを新設し、日本で初めてとなる300mmウェーハでのIGBT生産を開始する予定。

世界的なCO2削減の取り組みにおいて、電動車の開発・普及が加速する中、自動車の電動化に必要な半導体の需要も急速に高まっている。中でもIGBTは、電動車のモーターを駆動・制御するために、直流電流と交流電流を変換するインバーターにおいて、電源・電流のオンオフを切り替える機能を持つパワーカードに使用される中核デバイスである。

本協業により、デンソーとUSJCは、2023年上期に300㎜ウェーハでのIGBT生産開始を予定している。デンソーのシステム目線でのIGBTデバイスおよびプロセス技術と、USJCの300㎜ウェーハ製造技術を融合し、高性能かつコスト効率の高いパワー半導体の生産を目指す。なお、両社の取り組みは、経済産業省の「サプライチェーン上不可欠性の高い半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業費補助金」に採択されている。

デンソーの代表取締役社長である有馬浩二氏は以下のように述べた。
「300㎜ウェーハでのIGBT量産に、日本国内で初めて乗り出すことができることを大変うれしく思います。自動運転や電動化などモビリティのテクノロジー進化の中で、半導体は自動車業界において、ますます重要になってきています。本協業により、電動車に必要不可欠なパワー半導体の安定的な調達を実現し、自動車の電動化に貢献していきます」

USJCの代表取締役社長である河野通有氏は以下のように述べた。
「日本の主要なファウンドリー企業として、国内の半導体生産を強化するという政府の戦略と、より環境に優しい電動車の実現に向けて貢献することを約束します。自動車メーカーのお客様に認証された当社のファウンドリーサービスとデンソーの専門知識を融合することで、次世代の自動車のトレンドを担う高品質な製品を生み出すことができると確信しています」

UMCのCo-PresidentであるJason Wang氏は以下のように述べた。
「デンソーのようなリーディングカンパニーとWin-Winのコラボレーションができることを嬉しく思います。これはUMCにとって重要なプロジェクトであり、当社の自動車業界との連携を拡大することになるでしょう。UMCは、多様なスペシャルティ・テクノロジーのポートフォリオと、各拠点のファブで取得したIATF 16949認証により、高度運転支援システム、インフォテインメント、コネクティビティ、パワートレインなど、自動車アプリケーション全体の需要に対応する体制を整えています。今後も自動車業界のトッププレーヤーとの協力の機会を楽しみにしています」

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