ルネサス:セルラーLTE Cat-M1対応IoT開発プラットフォーム「クラウド開発キット」のRAマイコン用、RXマイコン用を同時発売

ルネサスは今般、セルラーLTEを使ってクラウドと接続するIoT機器の開発に向けて、「クラウド開発キット」を発売した。LTE Cat-M1仕様に対応したIoTモジュール「RYZ014A」を搭載したクラウドキットはルネサスとして初めてであり、32ビットマイコンRAファミリ用の「CK-RA6M5」とRXファミリ用の「CK- RX65N」の2種類が用意された。

それぞれに搭載されている32ビットマイコンRA6M5とRX65Nには、高いレベルのセキュリティ機能が搭載されており、信頼性の高いソフトウェアコンポーネントも提供される。さらに、複数のセンサもあらかじめ搭載しているため、ユーザは複雑な回路設計やソフトウェアスタックを独自に開発することなく、センサデータをLTE経由でクラウドに送信することができる。これらにより、ゲートウェイなしでマイコンとクラウドサービスをエンドツーエンドに接続可能なため、IoT機器を安全かつ迅速に開発することができる。

本クラウドキットは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)や他のIoTサービスなど、グローバルなクラウドサービスプロバイダへの接続が可能。AWSのFreeRTOSに対応しており、基本ソフトウェア一式はCK-RA6M5はフレキシブルソフトウェアパッケージ(FSP)、CK-RX65NはRXドライバパッケージ(RDP)として提供される。ユーザは、AWSのプラットフォームAWS IoT Coreに接続することにより、AWSの多くのクラウドおよびIoTサービスにアクセスし、データ分析やIoTデバイス管理を行うことが可能。

本クラウドキットは、同一の開発プラットフォームでRAファミリのRA6M5とRXファミリのRX65Nをサポートする初めての製品で、一貫したユーザエクスペリエンスを提供する。CK-RA6M5とCK-RX65Nは、同一のハードウェアとソフトウェアの機能を持ち、共通のダッシュボードUI(ユーザインタフェース)でリアルタイムにクラウドデータにアクセスすることが可能。

また、Cat-M1無線モジュールRYZ014Aによる通信に加え、Cat-M1ネットワークが利用できない場合にはイーサネットを使用してクラウドに安全に接続することもできる。これらのキットは、ルネサスのクイックコネクトIoTプラットフォームの一環として、標準的なハードウェアとソフトウェアのエコシステムを組み合わせて、IoTシステムの迅速なプロトタイピングを可能にする。ルネサスは今後も、より多くの無線接続のためのソリューションを提供する予定。

本クラウドキット「CK-RA6M5」、「CK-RX65N」の主な特長

  • LTE Cat-M1およびイーサネットの2つの接続方式に対応
  • TrustZoneテクノロジに対応しSCE(Secure Crypto Engine)を搭載したArm Cortex-M33ベースのRA6M5と、TSIP(Trusted Secure IP)を搭載したRX65Nの2種類のキットを用意
  • AWS認定デバイス、包括的なソフトウェアコンポーネント、およびセンサデータを可視化するためのカスタム設計可能なダッシュボードなどクラウド接続に必要なもの全てを包含

 なお、本クラウドキットは、10ドルのAWSクレジットと30日間の無料Cat-M1接続サービスが付くため、すぐにクラウド接続を体験可能。本キットは世界中の販売代理店から入手が可能。

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