ルネサスが車載用カメラアプリケーション向けパワーマネジメントICを発売。HD映像を安価に伝送できるオートモーティブHDリンクを使用した車載カメラシステムに最適。

車載用カメラアプリケーション向けPMICを発売
ルネサス エレクトロニクスは、今般、車載用カメラアプリケーション向けに、機能安全規格ASIL Bに対応可能なパワーマネジメントIC(PMIC)「RAA271082」を発売、量産を開始したことを発表した。

新製品は、ISO 26262に準拠したプロセスで開発されたマルチレール電源用ICで、プライマリ(1次)高電圧同期整流型降圧レギュレータを1個、セカンダリ(2次)低電圧同期整流型降圧レギュレータを2個、低電圧LDOレギュレータを1個、搭載している。また、4個の過電圧/低電圧検出、I2C通信、設定可能な汎用I/Oピン、および専用のリセット出力/フォルト出力を備えている。ASIL Bの厳しい要件を満たせるよう、新製品は、独立したリファレンスを持つ過電圧/低電圧検出機能、電源投入時の内蔵セルフテスト機能、そして内部レジスタとI2C通信の連続CRC(巡回冗長検査)エラーチェック機能を備えている。

新製品は、低コストのケーブルやコネクタを使用してハイビジョン(HD)映像を伝送できるルネサスのオートモーティブHDリンク(AHL)を使用する車載カメラシステムに最適である。加えて、CMOSイメージセンサ、イメージシグナルプロセッサ(ISP)、エンコーダ(AHLやSerDesなど)から構成される、ほぼあらゆるカメラモジュールの電源要件をサポートする。また、バッテリからの直接電源供給や、同軸ケーブルを介した電源供給(Power-over-Coax)にも対応している。これらによりユーザは、サラウンドビュー、リアビュー、ドライバモニタリング、電子ミラーなど、機能安全対応が求められる車載用カメラモジュールの電源設計を簡素化することができる。

また新製品は、ウォッチドックタイマ機能、リセット機能、プログラマブルGPIOなども搭載しているため、16/32ビットの車載用マイコンと組み合わせて、幅広い車載アプリケーションに最適である。

PMIC「RAA271082」の主な特長

  • ISO 26262に準拠したプロセスで開発され、ASIL Bのシステム安全要件の達成をサポート
  • 高度なプログラマビリティにより、主要ベンダの幅広い車載用イメージセンサに対応
  • スイッチングレギュレータ1個あたり1Aの出力電流能力を提供することで、最新世代の高解像度車載用イメージセンサの増大し続ける電力需要に対応
  • ウォッチドッグタイマ機能、リセット機能、およびプログラマブルGPIOを内蔵し、車載用マイコンをサポート
  • 複数の機能を1チップに統合したことにより、システム全体の消費電力を削減

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