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プロジェクトの背景と目的
人口減少にともなう労働力不足により、物流業界の人手不足が社会課題となっている中、新たな配送手段の確立による安定的な物流サービスの提供が求められている。本プロジェクトでは、2021 年度に引き続き川崎重工、ティアフォー、損保ジャパン、KDDI の4社で自動配送サービスのパッケージが提供される。また提供先として、近年需要が拡大しているフードデリバリーのプラットフォームを提供する menu や、品質や取扱いの管理徹底が求められる医療関係物資配送/回収が、タケダと協力して実施される。異なる分野において、それぞれのユースケースごとの課題を抽出することで、より幅広い領域での自動配送サービスの活用可能性を高めるとともに、利用者にとってより便利で満足度の高いサービスの社会実装に向けて取り組みが進められる。
プロジェクトのサービス内容
1.配送ロボットを使ったフードデリバリーサービス
menu では、デリバリーアプリとして、社会インフラの役割を担う為に成長を続けており、求められるあらゆる物を、求めているあらゆる人に最善の方法で届けていける未来が目指されている。そのためには、生活者・店舗・配達員がそれぞれ利益を感じる3方良しの基盤を作り、需要を伸ばし供給を安定化させる必要がある。供給の「安定化」に向けた一つの取り組みとして、配達員と配送ロボットが共存する世界に期待されているのだ。
本プロジェクトでは、配達員の代わりに配送ロボットが食品の配送を行う。配達員と共に自動配送ロボットがどう生活者に受け入れられるのか、人手が足りなくなる雨天時や夜間での配送ロボットの適応可能性などを検証するとともに、保温機能など配送ロボットならではの配送品質向上にも着眼し、配送サービスが行われる。
実施時期および期間 | 2023年1月23日(月)~同年 2月10日(金) ※1/25(水)、1/31(火)、2/8(水)を除く平日の実施 |
走行エリア | 東京都新宿区西新宿周辺(総走行距離 約 4km) |
協力店舗(食事の提供) | 京鼎樓 新宿住友ビル店、フレッシュネスバーガー 新宿三井ビル店、AFURI 新宿住友ビル店 |
配送物 | 協力店舗の商品(食品) |
2.配送ロボットを使った医療関係物資の配送/回収サービス
タケダでは、持続可能性のある医療環境の醸成のサポートは責務の一つと考えており、地域医療における課題解決の支援を通じて医薬品アクセスの向上に繋げることが目指されている。患者の医薬品の持ち運びに関する課題として、医療機関から大きくかさばる荷物を持ち帰らなければならないことや、温度管理が必要な治療薬を保冷バッグで管理しながら持ち帰らなければならないなどの負担が挙げられている。またその負担のために治療継続を困難にするケースがあることも知られている。本プロジェクトでは、このような課題を解決するべく、医薬品の個人宅配送が定常化する環境変化を見据え、オンライン診療・オンライン服薬指導に加え、配送ロボットによる自動配送サービスを組み合わせた新たな取り組みが実施される。
具体的には、往路で血友病患者向けに処方箋医薬品を配送、復路で医療廃棄物の回収を行うことにより、配送ロボットならではの強みである「非接触」、「荷物のトレーサビリティ」、「重量物の配送」といった利点の検証を実施するとともに、患者さんのアドヒアランス(治療の継続性)向上や医薬品の「製造」、「流通」、「サービス」の観点から患者さんに医薬品を安全かつ効率的に届けるための知見が収集される。
実施時期および期間 | 2023年1月31日(火)(予定) |
走行エリア | 東京都新宿区西新宿周辺(総走行距離 約 1.2km |
協力施設 | ・東京医科大学病院(オンライン診療・オンライン服薬指導、院内処方・医薬品配送・医療廃棄物回収) ・京王プラザホテル(オンライン診療・オンライン服薬指導、受渡し場所の提供) ※本プロジェクトにおけるオンライン診療・医療廃棄物回収はデモンストレーションを実施。 |
配送物 | 血友病の処方箋医薬品・医療廃棄物 |
川崎重工 | 全体統括、配送ロボットの開発、自動配送サービス提供 |
ティアフォー | 自動運転システムの開発・提供および配送ロボットへの自動運転システムの搭載、運行管理システム・遠隔監視システムの開発・提供 |
KDDI | 5G 通信環境の提供 |
損保ジャパン | 自動配送ロボット運行にかかる自動運転リスクアセスメント、自動配送ロボット専用保険の提供 |
menu | ユースケースの提供(フードデリバリー)、利用者・参加店舗の募集と管理 |
タケダ | ユースケース(医療関係物資の配送・回収)の提供支援、医療機関(病院・薬局)との連携支援 |