IHI、マレーシアTNB Power Generation所有の石炭火力発電所のアンモニア・バイオマス燃焼の実現可能性調査を完了

本FS報告会の集合写真
IHIはマレーシア国営電力会社Tenaga Nasional Berhad(以下、TNB)の100%子会社であるTNB Power Generation Sdn Bhd (以下、TNB Genco )と共同で石炭火力発電所における脱炭素化を検討している。アンモニアやバイオマス燃焼技術の適用に向けた技術的および経済的な検証(以下、本FS)を2022年度から実施してきたが、6月に本FSを完了したことを発表。TNB Genco社の脱炭素化計画の骨子を策定し、具体化に向けて次の段階へ進むことに合意した。

マレーシア政府・TNBが脱炭素化を推進

マレーシア政府およびTNBは、2050 年までに温室効果ガス排出量ゼロを目指し、火力発電所におけるカーボンニュートラル燃料の活用を検討している。さらに、TNB Gencoは脱炭素化を加速するため、2035年までにCO₂排出量を0.35t-CO₂/MWhに下げる目標を打ち出している。そこでTNB GencoおよびIHIは石炭火力発電所における脱炭素実現の具体的な手段として、燃焼時にCO₂を排出しないアンモニアや、再生可能エネルギーとして東南アジア諸国で活用が期待されているバイオマスなどの燃焼技術について協議を重ねてきた。

両社は今回、本FSの議論を踏まえて脱炭素化計画の骨子を策定し、実現に向けて速やかに行動していくことに合意した。今後、アンモニア・バイオマス少量燃焼を早期に実施するための基本設計を行うとともに、大規模化に向けてより詳細な実現可能性調査を実施する。また、両社は本計画をより円滑かつ効果的に推進すべく、これまで以上に緊密に連携していく。

TNB Genco所有石炭火力発電所地図
(赤丸が発電所。上からTNB Janamanjung Sdn. Bhd.,Kapar Energy Ventures Sdn. Bhd.,Jimah East Power Sdn. Bhd.)

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