量産への道:NTNのインホイールモーターと中国のNEV戦略[自動車業界60秒ブリーフィング]

インホイールモーター(IWM)の開発が市販車への搭載段階に入った。NTNは、中国市場を中心に、新エネルギー車(NEV)規制に対応した電気モーター系システムの提案を積極的に行っている。最大出力30kW、最大トルク515Nm、最大回転数1135rpmのIWMは、小型車用として用意され、30kW×2のシステムはもはや夢物語ではない。

中国のNEV規制は、バッテリー電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池電気自動車(FCEV)を対象とし、罰則規定も導入される。NTNはこの規制に対応した電気モーター系システムを提案し、小型車用IWMの量産化に向けた準備を進めている。

IWMのメリットは、車輪を直接駆動することで、通常の機械式ブレーキ以上の制動が可能であること、そしてABS制御による滑らかな制動が可能であることなどが挙げられる。さらに、IWMを使った「さらに自由度の高いタイヤ接地荷重コントロール」も考えられている。

NTNはIWMの大衆化を志向し、スポーツカーに使える高級IWMの開発よりも、30kW×2のFF小型車用IWMを事業の主軸に据える方針である。コスト面では、エンジン+変速機の2~3割アップ程度を目指しており、量産数が3000台なら採算ラインと見ている。

[詳細]インホイールモーター|もはや「将来技術」ではなくなった市販車への搭載を想定した開発が始まった[ NTN ]

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