フォルシア:化石燃料を使わない鉄鋼のサプライヤー、SSABとの協力によりCO2超低排出シート構造を開発

フォルシアは、スウェーデンの鉄鋼メーカーSSABとパートナーシップを結び、化石燃料を使わない高強度鋼をシーティング事業に使用することを決定した。

 このパートナーシップにより、フォルシアは、SSABと協力して化石燃料フリーの鉄鋼導入に取り組む世界初の自動車部品サプライヤーとなる。これは、フォルシアが掲げるCO2ニュートラルへの道のりにおいても大きな前進となる。

 2019年末、フォルシアは、2025年までに生産拠点の排出量(スコープ1とスコープ2)についてCO2ニュートラルを達成、2030年までにスコープ3の排出も半減するための野心的なロードマップを作成した。

 フォルシアは、2026年からシート構造への使用を開始するため、SSABの化石燃料フリー鉄鋼を確保した。SSABにより、業界でも最も野心的かつ先進的な化石燃料フリー鉄鋼がフォルシアに供給される。化石燃料フリー鉄鋼は、従来鉄鋼生産に用いられてきたコークス用炭やその他の化石燃料を使用する代わりに、水素およびゼロカーボン電力を使用している。このパートナーシップの下、フォルシアは、CO2排出量を極力抑制したシート構造の開発、試験、実証、工業化を行う。

フォルシア最高経営責任者、パトリック・コラー氏のコメント:
「私たちは、SSABとの協力により化石燃料フリーの鉄鋼生産を確保する世界初の自動車部品サプライヤーとなることを、非常に誇りに思っています。これは、当社が掲げるCO2ニュートラルへの道のりのスコープ3に関する目標を達成する上で、大きな前進です。当社は、確信と決意をもってこの道のりを進んでおり、目標を達成するべく可能な限りの施策を実施しています」

フォルシア・シーティング、エグゼクティブバイスプレジデント、エルコ・スポールダー氏のコメント:
「当社のCO2ニュートラル戦略の一環として、私たちは資源をより上手く活用しようとしています。SSABとともに私たちが踏み出そうとしているこの大きな一歩によって、2026年以降、エンドユーザーに至るまでのバリューチェーン全体の非化石燃料化に向けて大きく前進することができます。これにより、当社そして当社のお客様による気候影響を削減でき、私たちは、このCO2ニュートラル革命の一翼を担うことができることをたいへん誇りに
思います」

SSAB最高経営責任者、マーティン・リンドクヴィスト氏のコメント:
「当社は、先進的な高強度の化石燃料フリー鉄鋼製品を開発するために、自動車部品産業の最前線を走るフォルシアと事業を共にできることを大変喜んでいます。これまでもフォルシアとは、高性能高強度鋼(AHSS)に重点を置いて、自動車部品をより堅牢、軽量、安全にするために協力を強化し、ビジネスを増やしてまいりました。今後は、フォルシアとの協力が次なる段階へと進みます。SSABの化石燃料フリーAHSSの導入を2026年から加速し、フォルシアの脱炭素化目標の達成およびグローバルなCO2排出の削減に貢献してまいります」

 2025年および2030年に設定したCO2ニュートラル目標のみならず、フォルシアは、2050年までに、同社製品の使用段階を含めた、完全なるCO2ニュートラルの達成をめざしている。これらの目標は、SBTイニシアチブ(科学的根拠に基づく目標)の1.5°C目標に沿ったもの。

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