【日本初】日本精工を含む研究グループが、柏の葉スマートシティにて電気自動車への走行中給電の公道実証実験を開始

日本精工(以下NSK)は、東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本・清水研究室、ブリヂストン、ローム、東洋電機製造、小野測器、デンソー、三井不動産、SWCC、カーメイト、千葉大学宮城研究室と共同で(以下、当研究グループ)、2018年より走行中給電システムの研究を実施してきた。そして今回、柏の葉スマートシティ内にて、日本初の「公道における走行中給電実証実験」を開始する。

日本初の公道実証

柏の葉キャンパス駅を中心とした地域では、公・民・学連携により「柏の葉国際キャンパスタウン構想」に基づく先進的なまちづくりが進められている。また、スマートシティを目指した様々な取り組みも実施されており、2019年には「国土交通省スマートシティモデル事業(先行モデルプロジェクト)」の選定を受けて「スマートシティ実行計画」を策定し、新技術や官民データを活用しつつ、都市・地域課題の解消に取り組まれている。

その一環として、2023年6月には、柏市、東京大学、その他関係機関と「柏ITS推進協議会」の枠組みで実施されている、電気自動車への走行中給電技術の実証実験の取り組みが、国土交通省が公募する「道路に関する新たな取り組みの現地実証実験(社会実験)」として採択され、2023年10月から2025年3月まで、柏の葉キャンパス駅西口至近の市道にて日本初の公道上における電気自動車への走行中給電技術の実証および社会的受容性の確認が実施される予定とされている。

実証実験の概要

本実証実験は公道で行われるため、走行中給電システムを搭載した上で、ナンバー取得をした車両での実験が行われる。本実証実験で使用される送電コイルは東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本博志教授、清水修准教授らの研究グループが設計を行い、10秒充電することで一般的な電気自動車が1km走行することが可能となる仕様となっている。この実証実験は、東京大学、柏市、その他関係機関と「柏ITS推進協議会」の枠組みによる「電気自動車への走行中給電技術開発の取り組み」で実施される。

本発表のポイントは次の3つ。

  1. 様々な車両に使える走行中給電システム
    様々な車両のあらゆる状態に対応するためには適切に電力をコントロールすることが必要になる。本研究グループでは、電力を適切にコントロールすることで電気自動車にもプラグインハイブリッド車にも使用できる走行中給電システムが実現された。
  2. 標準化につながる走行中給電システム
    送電コイルに常に通電をすると、送電コイルの上に車両がないときには無駄なエネルギーを使うことになる。この課題を解決するために本研究グループでは、待機電力を極力小さくしながら車両検知を短時間で行う、新しい車両検知システムが開発されている。そして、このシステムを公道で検証することにより、走行中給電システムの標準化に貢献する。
  3. 高耐久性プレキャストコイル
    安全に使用するためには路面として十分な耐久性を持ちながら、送電が可能なコイルの開発が必要となる。本研究グループでは、コイルと路面を一体化したプレキャストコイルが公道実証実験に耐えうる耐久性の検証が行われている。

今後の展望

2023年10月から2025年3月まで公道での実証実験が継続される予定とされている。そして本実証実験の結果を反映し、さらに発展させた走行中給電システムの開発を推進し、走行中給電社会実装の早期実現が目指される。

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