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800V 6-in-1電動アクスル
プレスカンファレンスでは、ヴァレオジャパンのアリ・オードバディ社長がプレゼンテーションを行なった。
まず注目は「電動化の加速」でヴァレオが開発している次世代統合パワートレーン「800V 6-in-1電動アクスル」だ。
ヴァレオは提案圧の48Vから高電圧まで電動化を加速するフルレンジのソリューションを提供している。
高電圧のBEV向けソリューション「800V 6-in-1電動アクスル」は、電動モーター/インバーター/減速機/電力分配装置/車載充電器/DC-DCコンバーターの6つの機能を1つのユニットに搭載したもの。最大出力は140kW、最大トルク(軸トルク)は2700Nmだ。
ポイントはコンパクトなパッケージだ。ヴァレオはすべてのサブシステムを自社で設計・製造している。それゆえモジュールデザインで組立とアップグレードが柔軟になり、メインテナンス性を向上させた。軽量コンパクトなデザインでフロント、リヤどちらにも搭載が可能だ。
インバーターにはSiC(シリコンカーバイド)半導体を使う。
機能を1つのユニットに集約したが、修理やアップグレードが機能ごとにできるように分割しているのも特徴だ。
軽量で低カーボンフットプリントな複合材バッテリーケース
ヴァレオが手がける複合材バッテリーケースは、連続繊維を熱硬化性樹脂に埋め込んだ「オルガノシート」をオーブンで温めてインジェクションマシーンで一体成形する。熱可塑性樹脂を使うので100%リサイクルが可能。重量はスチール製より30%軽量で、アルミ製と比較して製造時のCO₂排出量が最大50%削減できる。
欧州でホットなテーマになりつつあるELV(End-of-Life自動車設計・廃車)管理に関する規制案に対応できる。ラジエーターコアサポート、バンパー、クラッシュボックスのような構造体に適応できる、バッテリーケースとラジエーターコアサポートはすでに量産が始まっていて、バッテリーケースはメルセデス・ベンツのBEV、EQSが2020年から採用している。
ヒドゥン・ディスプレイ
「インテリアエクスペリエンスの再創出」に関して、ヴァレオは次世代コックピット向け車載ディスプレイである「ヒドゥン・ディスプレイ」を世界初公開した。ヒドゥンの名前の通り、電源オフの状態では車室内のテクスチャーにどうかして隠れているが、システムが起動するとシームレスで直感的なタッチスクリーンが表示される。液晶ディスプレイに特殊なフィルムを貼ることでそれを実現している。
e-Face 自動運転車用外向けHMI
e-Faceは自動運転車から周囲の交通利用者へのコミュケーションの支援で安心安全を提供する外向けHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)だ。自動運転中の車両の状況に応じて文字や表情で「発進」「横断者あり」「停車」「右折」『左折」「あいさつ」などのサインを表示する。これによりドライバーが通常行なう周囲の交通利用とのコミュニケーションの一部をe-Faceが代替する。ドライが―不在となるレベル4の自動運転サービスでe-Faceが活用されるようになるのが目標だ。