ホンダ、協調人工知能「Honda CI」を搭載したCIマイクロモビリティの一般向け自動走行技術実証実験を2月に開始

Honda CIマイクロモビリティ(左:CiKoMa 右:WaPOCHI)
Hondaの研究開発子会社である本田技術研究所(以下、Honda)は、人と分かり合える独自のAIである協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence)」を搭載したHonda CIマイクロモビリティの技術実証実験の一環として、一般向け自動走行技術実証実験を2月に茨城県常総市の「アグリサイエンスバレー常総」で開始することを発表した。

一般向け実証実験の概要

2024年2月より、アグリサイエンスバレー常総内の「道の駅常総」から観光農園「グランベリー大地」まで、約850メートルの区間を使い、来場者を対象としたCiKoMaによる自動走行の乗車体験機会を提供する。また、2024年春には、コミュニケーション機能を搭載したCiKoMaの乗車体験も開始。専用携帯デバイスを通じてCiKoMaを呼び寄せ、自動走行で迎えにきたCiKoMaにジェスチャーで乗車位置を指定して乗車する。乗車後は、設定した目的地まで自動走行で移動し、さらに走行中に停止位置を指示することで、任意の場所に立ち寄ることも可能。

Hondaは2022年11月に茨城県常総市にて技術実証実験を開始し、搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa(サイコマ)」および、マイクロモビリティロボット「WaPOCHI(ワポチ)」を使用し、地図レス協調運転技術と意図理解・コミュニケーション技術を用いた自動走行技術やユーザー追従・先導走行機能の検証に取り組んできた。今回、アグリサイエンスバレー常総にて開始する一般向けの技術実証実験では、来場者を対象に自動走行するCiKoMaの試乗とWaPOCHIの追従・先導走行体験の機会が提供される。

歩行者との混合空間を自動走行するCiKoMa
乗車位置をジェスチャーで指定する様子

WaPOCHIについては、2月にグランベリー大地の屋外敷地内にて、いちご狩りの利用者を対象に移動体験が開始される。WaPOCHIが受付からビニールハウスまで荷物を積んで来場者を先導もしくは追従し、徒歩移動をサポートする。いちご狩りの体験中は、WaPOCHIに荷物を預けたままにできる※4ため、手ぶらでいちご狩りを楽しむことが可能。また、従業員向けの実証も2024年春に開始し、追従するWaPOCHIを使用した移動販売が予定されている。

WaPOCHIに荷物を積載する様子
ユーザーを先導するWaPOCHI

Honda CIマイクロモビリティ概要・技術進捗

自動走行によって短距離移動をサポートする「CiKoMa(サイコマ)」

CiKoMaは、1人~数人までの乗員数を想定した、搭乗型の電動マイクロモビリティだ。必要な時に呼んで乗車し任意の場所で降車することができ、誰でも手軽に自由にラストワンマイルを移動できる。カメラにより360度周辺環境を認識し、交差点やカーブなどの環境に加え、歩行者や車両の進行方向などから周辺関係者の状態を把握し、その行動や潜在リスクを予測することができる。これにより、適切な走行速度や走行可能な領域を素早く判断することで、CiKoMaは、歩行者や車両との混合空間でも自動で移動することが可能。

2023年10月からは、アグリサイエンスバレー常総において、安全監視員が同乗しながら自動走行の技術検証を行っており、歩行者・自転車との混合空間である「歩車共存エリア」での自動走行、および一般車両との譲り合いによる一般道との交差点の自動通過を実現している。

歩行者を認識し軌道変更する様子
一般車両との交差時に自動停止するCiKoMa

今後は、2024年中に遠隔監視システムを確立し、関係省庁との認可交渉を経て、2025年中の無人自動走行の実現が目指される。さらに、2024年夏には、CiKoMaの技術を搭載した、二人乗りの四輪電動モビリティ「Honda CI-MEV(シーアイ・エムイーブイ)」を常総市内での技術実証実験に投入予定。

Honda CI-MEV

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