【海外技術情報】GM:成長する10年計画を発表。2030年までに年間収益を2倍にする

Ultra Cruise will ultimately enable door-to-door hands-free driving on all public paved roads in the U.S. and Canada.
2021年10月、GMが投資家に向けて、EV化する未来に移行するにつれて利益を増やし、2030年の終わりまでに年間収益を2倍にする計画を発表した。GMは2025年までにグローバルで30車種以上の新しいEVを発売する計画をすでに発表している。
TEXT:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)

議論されたトピックの概要

 ミシガン州ウォレンにあるGMグローバルテクニカルセンターのデザインドームで開催された説明会には、GMの社長であるマーク・ロイス氏を筆頭に、ダグ・パークス氏(グローバル製品開発、購買およびサプライチェーン担当エグゼクティブバイスプレジデント)、アラン・ウェクスラー氏(イノベーションと成長担当上級副社長)、最高財務責任者のポール・ジェイコブソン氏などが臨席した。

 GMは内燃機関(ICE)車から得られる利益を拡大しながら、同時にアメリカにおけるEV市場シェアをリードする計画を立てている。GMの成長は、共通するスケーラブルなコンポーネントを使用してEVの幅広いポートフォリオを構築する「アルティウムモジュラーEVプラットフォーム」によって推進される。アルティウムを搭載したEVには、約30,000ドルのシボレークロスオーバー、ビュイッククロスオーバー、シボレーのトラック、GMC、HUMMER EV、そして次のLYRIQやCELESTIQなどのキャデラックEVを含む大量の新型車が含まれる。

 GMのデュアルプラットフォームである、「アルティウム」と「アルティファイ」戦略は、デジタルサービスを積極的に拡大して、車両の寿命を延ばす。「アルティファイ」は新しい車両体験を解き放ち、顧客のデジタルライフをつなぐように設計されたエンドツーエンドのソフトウェアプラットフォームである。これによりソフトウェアで定義された機能、アプリ、サービスを顧客に頻繁かつシームレスにワイヤレスで配信できる。

 GMのグローバルなイノベーションと成長チームは、機会があれば市場を混乱させ、新しい市場を切り開く。様々なサイズと成熟度レベルにある約20ものスタートアップ企業を管理しており、初期段階のものもあれば、BrightDropやOnStar Insuranceなどの現在立ち上げ中の企業もある。

 2030年までに、北米と中国における製造フットプリントの50%以上がEV生産となるように計画している。また、アメリカの施設では100%再生可能エネルギーを調達するというコミットメントを2025年までと5年間前倒しする。

ドアトゥードアのハンズフリー運転を実現する「ウルトラクルーズ」が公開された

 シボレーが計画している幾つかの「アルティウム」ベースのEVの一つである「Silverado EVピックアップ」の新しい画像が公開された。同車は2022年1月5日にグローバルデビューする。

 さらに、GMは、2023年から提供されるハンズフリーの先進運転支援技術の重要な次のステップである「ウルトラクルーズ」の最初の詳細を公開した。それはアメリカのすべての舗装道路における、すべての運転シナリオの95%を処理するように設計されている。これはカナダにおいては、事実上ドアトゥードアのハンズフリー運転を実現する予定である。「ウルトラクルーズ」は機能と安全な操作の両方の観点から、市場で最高の先進運転支援システムとなる。この「ウルトラクルーズ」の詳細は、機会があれば続報としてお届けしたい。

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著者プロフィール

川島礼二郎 近影

川島礼二郎

1973年神奈川県生まれ。大学卒業後、青年海外協力隊員としてケニアに赴任。帰国後、二輪車専門誌、機械系…