新開発のFA24型2.4ℓ水平対向4気筒DOHCエンジンは、もちろん自然吸気エンジンだ。初代86/BRZが搭載していたFA型も専用エンジンだったが、新型のFA24型もGR 86/BRZの専用エンジンとなる。
スバルの水平対向エンジンのボアピッチは、EJ型、FA型、FB型が113.0mm。新型レヴォーグが搭載する新開発1.8ℓCB18型は、98.6mmだ。FA24型のボアピッチも113.0mmである。
現行スバルのエンジンラインアップ
2.4ℓ水平対向4気筒は、北米で販売しているスバルの大型SUV、アセントに搭載するために2017年に登場したエンジンだ。大型SUV用、そして従来あった3.6ℓ水平対向6気筒エンジン(EZ36型)の後継機として開発されたFA24型は、ターボ過給されるエンジンだ。ここでは、ターボのFA24型を「FA24DIT」と呼ぶことにする。DITの名前とおり、FA24DITは「直噴(DI)ターボ(T)」である。3.6ℓ6気筒自然吸気を2.4ℓ4気筒過給へと移行させた「ダウンサイジング過給エンジン」と言っていい。
今回、GR 86/BRZ用に新開発されたFA24型は、自然吸気エンジンだ。
比較すると
FA20型(初代):86.0mm×86.0mm 圧縮比12.5
FA24型(新型):94.0mm×86.0mm 圧縮比12.5
となり、スクエアから明確な「ショートストローク」エンジンになった。S/B比は0.915。ロングストロークが燃費重視のエンジンのトレンドとなるなか、高回転高レスポンス重視のショートストローク型を採用したわけだ。
また燃料供給は、初代のFA20型と同様に、筒内燃料直接噴射(DI)とポート噴射(PFI)を併用するD-4Sを採用している。アセントが搭載するFA24DIT型は筒内燃料直接噴射のみだから、ここの技術的な注目ポイントになる。
FA24型では、初代の課題であった3500-4500rpm前後でのトルクの落ち込みを解消したという。
新型のFA24型は、最大トルクの発生回転数が3700rpm。初代のFA20型のそれが6400-6800rpmだったことを考えても、扱いやすい性格になっていると想像できる。また、排気量拡大と高出力化に対応するために、補機類も見直した。冷却系ではラジエーターの容量をアップ。新たにオイルクーラーも追加している。