エンジン振動を抑える手段として古くから使われてきたのがバランサーである。1次振動はクランクシャフト回転数と同じ周波数であり、2次はその2倍、4次はさらに2倍……と、高次振動になるほど周波数が高くなり、しかしエネルギー量は小さくなる。
もっとも音・振動として影響が大きい1次振動はエンジンの機械的設計そのものに由来することが多く、これを取り除くためにクランクシャフトと等速で回転させる「おもり」が考案された。バランサーの基本概念は20世紀初頭に英国人のフレデリック・ランチェスターが確立しているが、自動車での効果ある実用例は1974年の三菱自動車以降だ。シャフトの本数、長さ、重さのバランス、回転方向などに多くのバリエーションがあり、省気筒化の波がこの技術に再びスポットライトを浴びせている。
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