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軽量ボディ×グループAカラーでリアル・トラックスタンスを構築
グラフィックは遊び心でアレンジも加えたJACCSカラー!
ライバル達と被らない1台で速さを突き詰めるべく、EK4からCR-Xデルソルに乗り替えてセントラルサーキットを走り込んできた池上さん。エンジンポテンシャルを上乗せしてタイムを削るのではなく、フットワークのセッティングとドラテク主体に限界領域へと挑み、デルソル最速となる1分28秒3を見事に叩き出した。
しかし、タフな速さがお気に入りのB16Aが痛恨のエンジンブロー。「デルソルはショートホイールベースで速いけど、電動オープントップの重さが辛い」と常々感じていたこともあり、タイミング良く手に入ったEF9のボディを使って「勝つための仕様変更」に取り組んだのだ。
そんな経緯で誕生したEF9だが、基本パッケージはデルソルと大きく変わらない。チューニングを進めれば耐久性が犠牲になるとの考えから、新しく用意したB16A(EG6用)もノーマル+αのまま。
それでもガソリン満タン状態で840kgに仕上がったニューマシンはデルソルより200kgも軽く、あっさりとベストタイムを更新(1分26秒7)。ホイールベースが2370mmから2500mmとなったことでCR-Xが誇る旋回性能はスポイルされたものの、軽さを武器にトップクラスの速さを叩き出したのだ。
安全タンク、リベット補強&15点式ロールケージなどで、サーキット仕様に鍛え上げられたボディは手に入れた時の仕様のまま。タコメーターが踊るなどサーキットを攻め込む際の不安要素が残っているため、少しずつ手を加えていく予定だ。
ホワイトレターを施した15インチのアドバンA050は、フロントに205/50のMコンパウンド、リヤに195/55のGSコンパウンドをマッチング。ホイールは90年代のデザインテイストに最新技術を詰め込んだ、エンケイPF06を与えている。
なお、グループAを戦っていたEF9は、フロント16インチ&リヤ17インチでホワイトレターも施されていなかったが、そこはレプリカを作るのではなくグループAをオマージュして速さを追求するフレキシブルなアプローチというわけだ。
前後ともフェンダー処理は爪折りのみとし、フロントナックル加工のネガティブキャンバー4度で8.0Jプラス25を絶妙なツラ加減に仕上げている。旋回性を損なわないため、リヤは8.0Jプラス35の内履きだ。
馴染みあるジャックスカラーだが、実はEG6時代が主体。EF9ではブルー基調の旧仕様で、このカラーで戦ったのは1シーズンのみだった。そのため、ラッピングはネット検索で見つかった2枚の写真とグループA仕様のプラモデルを参考に合わせ込んだもの。一部ロゴをアレンジするなど、完全レプリカではなくオリジナリティをさりげなく加えているのがチャームポイントと言える。
「デルソルは可愛いボディラインがお気に入りでしたけど、電動オープントップでとにかく重かった。EF9は動きも軽快で、デルソルよりもホイールベースが長くなった分だけ乗りやすいです」とは池上さん。
タイムが示すマシンの戦闘力、そして静止状態においてもスピード感を印象付けるレーシングスタイル。勝つための仕様変更でリアル・トラックスタンスを美しく表現したEF9は、グループAを知らないユーザーをも強く魅了する1台だと言えるだろう。
PHOTO:伊勢馬場賢次/REPORT:村田純也
●取材協力:エクシード 大阪府池田市豊島南2-12-15 TEL:072-741-9773
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