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バリス渾身のエアロキットで外装を武装!
暫定仕様ながら岡山国際で十分な走りを見せつける
“オリジナルランデュース”のコンセプトは「個性ある走りをプロデュースする専門店」。“走る、曲がる、止まる”というクルマの基本性能を突き詰めるだけでなく、ファッション性や快適性などの要素も追求。常にユーザーに寄り添い、トータルで満足度を高めることを目指している。
積極的にサーキットテストを行うのは、クルマへの解像度を高めるため。「限界領域でしか見えない、分からないことがある」とランデュース浅田代表は語る。新型フェアレディZは同社が目指すカスタマイズの王道である“カッコ良くて速い”を具現化することができるベースマシンなのだ。
ステップ1として着手したのは足回りの強化だ。HKS謹製のハイパーマックスRを軸にセットアップを進めているが、サーキットでタイムを狙っていくならば、吊るし状態からスプリングレートや減衰力を見直す必要があると感じているそうだ。
ブレーキチューンも抜かりはない。前後にはオリジナルのキャリパーキットをフィッティング。性能はもちろん、ホイールから覗くキャリパーの造形美は、足元をスタイリッシュに見せるためにも重要なポイントだ。また、重量的にもノーマルキャリパーは意外と重いため、変更後も重量増がほとんどないのも、このブレーキキットのメリットと言える。
ホイールはアドバンレーシングのRZ-DF2の19インチ。ネガティブキャンバーを3.5度付けることで前後10J+15を飲み込む。タイヤはアドバンネオバAD09(FR275/35R19)だ。サーキット走行ではアドバンA052に履き替える。
排気系は静粛性とパフォーマンスを両立するHKSのスーパーターボマフラーをセット。純正の45φデュアルから60.5φデュアルに拡大し、排気抵抗を約40%低減。エンド部のヒートグラデーションがスポーティなイメージを高める。
「エンジンは低速から非常にトルクが豊かですが、タービンが小型なので上の領域ではパワー/トルクともに大きく落ち込んでしまいます。吸排気の効率アップでは限界があるため、今後はECUのマネージメントでノーマルの良さを伸ばし、ネガな部分は底上げしていく予定。簡単に言えば、気持ち良さをより磨く感じですね」。
室内にはレカロスポーツスターのレッドレザー×ブラックアルカンターラを左右にセットし、プレミアム感を増幅。シフトノブはニスモ製を奢る。
エアロパーツは、東京オートサロン2023で発表されたバリスのスタンダードモデル『アライジング1』で統一。フロント前方に大きく張り出し、両サイドにエクステンションを加えることでシャープな印象とワイド感を強調。カーボンのカナードは上面が一般的な平織り、裏側は格子目の12Kとすることでビジュアルにアクセントを加える。
左右に4つのダクトを設けるのは最近のバリス製クーリングボンネットの共通アイコン。S30Zのキャラクターラインをモチーフにしたパワーバルジも特徴的だ。
後方を跳ね上げるようなフィン形状としたサイドディフューザーは、フロア下に空気が流れ込むのを防止しつつ、ボディ側面のエアを整流する効果も期待できる。その装着によりワイド&ロースタイルがより強調されるのも魅力だ。
リヤバンパー下部に追加されたディフューザーが、リヤスタイルに大きなインパクトをもたらす。もちろん見た目だけのドレスアップパーツではなく、フィン形状など機能性を重視したデザインだ。バーチカルフィンは有/無のいずれかチョイスすることが可能。
リヤフェンダーまで跨ぐようにデザインされたダックテール状のリヤウイングもカーボン+製。テールランプとの調和も見事な絶妙なサイズも、さすがバリスと感心させられる。
岡山国際では表裏のストレートともに3分の1程度の距離でスピードリミッターが作動、本領発揮とはならなかったが、それでも1分46秒台を記録している。
「当面の目標タイムは1分40秒台です。東京オートサロン2024では、新しい姿をお見せできると思うのでご期待ください!」と浅田代表。理想のZを目指したランデュースの挑戦はまだまだ続く。
●取材協力:オリジナルランデュース 岡山県倉敷市三田118-1 TEL:086-464-0606
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オリジナルランデュース
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