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走りとスタイリングを高次元で両立!
ガレージ力が取り組むローダウンスプリングの実力とは?
日産が誇る2大スポーツカーであるGT-RとフェアレディZをメインに、独自のアプローチでチューニングを展開している三重県の“ガレージ力”。ストリートメインのファインチューンからサーキットスペックまでオーナーの希望に合わせた間口の広いマシン作りを真骨頂としているが、基本コンセプトとして重視しているのが快適性を損なわず、安心、安全でスポーツカーの走りを長く楽しめることだ。
そんなガレージ力が、新たなターゲットとして昨年末からチューニングに取り組んでいるのが、RZ34フェアレディZ。ATとMTを合わせて計3台ものデモカーを導入と聞いただけでも、その本気度がうかがい知れるというものだ。
まず気になるのは、RZ34のベース車としてのポテンシャルだが「Z34と比較するとボディ剛性が向上しているのに加え、ターボエンジンだけにトルクもある。高速巡航性能は欧州車的なフィーリングですね」と中久木代表。
そうした基本的な美点は維持しながら、MT仕様のデモカーでは、サーキット走行も楽しめるようにチューニングを施しているという。
今回の取材に持ち込まれたAT仕様は、ストリートをメインターゲットとしたファインチューン仕様。その走りを支えるメインアイテムが、リリースに向けて最終テストの段階を迎えたダウンサスペンションだ。
一般的なローダウンスプリングは見た目優先的なものが多いのに対し、ガレージ力ではノーマルダンパーを生かした走りも求めているのが特徴。サスペンションプラスとの共同開発品で、フロントは純正比約+10%のレートアップ。リヤのレートは純正同等だが、独自のデュアル巻きとしてストロークを確保する。
スタイリングはご覧の通りで、ノーマル比マイナス20mmをターゲットとしたジェントルなローフォルム仕様となっている。
ホイール&タイヤはボルクレーシングG025(F9.5J+30 R10.5J+22)にアドバンネオバAD09(F255/40 R285/35)というニスモ仕様サイズを選択。ブレーキ周りはあえてノーマルとしている。
エンジンルームも完全なノーマル状態で、現在はローダウンスプリングのテストのために剛性パーツやECUデータなどもあえて変更を加えていない。パワー系の唯一の変更点は、フジツボA-RMマフラーのみとなっている。
サーキット走行もターゲットにした6MT仕様のデモ車ではブリッド製シートをいち早く導入したが、AT仕様のインテリアは完全なノーマル。こちらもローダウンスプリングの評価のための拘りだ。
このRZ34をワインディングで試したレーシングドライバーの谷口信輝選手は「比較的速度レンジが高めとなる今回のワインディングでは、スプリングに対してダンパーの減衰力が不足している印象。伸び、縮みともスプリングの動きを抑えきれないから、若干不安定な挙動となる場面もあったのがちょっと残念。といっても調整式のダンパーであれば、減衰ダイヤルをクリックすることで解消できるレベルなので、ガレージ力なら十分に改善できるはず。リリース時にはその辺りも含めてさらに煮詰めることに期待したいね」と評価。
今回紹介したローダウンスプリングを筆頭に、今後も様々なテストを重ねながら、RZ34のポテンシャルアップを追求していくというガレージ力。新型Zオーナー諸氏は、その動向に注目だ。
●ガレージ力 三重県桑名市桑部1272-6 TEL:0594-82-5026
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