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エンジンのセッティング以外は全てオーナーのDIY!
走れるシャコタンを目指してエンジン搭載位置をアップ!?
500台以上のR34スカイラインが集結した“R34祭り”の会場で、異彩を放っていたのがこちらのER34。ボンネットを開けた状態で展示しているマシンは珍しくなかったが、明らかにエンジン搭載位置が高いのだ。
「元々ベタベタのシャコタンで乗ろうと思っていたので、フロントサスメンバーの上げ加工を施しているんです」とは、20代の若きオーナー“つばさ”さん。聞けば、マシンメイクのほぼ全てを自らの手でこなす生粋のプライベーターだという。
ちなみに、ベース車はNAのER34。5年ほど前に入手した個体で、約3年の歳月をかけて自宅敷地内でのフルリメイクを敢行。今回のR34祭りが完成後初のイベント参加なのだとか。
エンジンは中古のRB25DETを入手し、ヘッドのオーバーホールを実施した上でスワップ。合わせて、オーストラリアの6boost製エキマニを介してMAMBAタービンのGTX2976Rを装備。フルコンLINKによる綿密な制御で約480psを発生させている。なお、ECUセッティングだけはショップに依頼したそう。
フロントサスはキャンバー角を含めたドリフトセッティングの自由度を求めて、マルチリンク式からシルビアのストラット式へと変更済み。美しいサイクルフェンダーも自作だ。
リヤフェンダーはロシアのNEKSA製キットを使ってワイド化。クォーターパネルとドアパネルの2枚構成で、本来はドアノブの上部まで覆うデザインなのだが、つばささんはドアノブの下部でカットしてスムージング。BNR34純正に近い雰囲気を求めてのリメイクだ。
一方のフロントフェンダーは、Z-tuneタイプをインストール。ホイールはワークのマイスターS1(F9.5J-14 R12J-42)で、タイヤはサイルン(F215/35R18 R265/35R18)を履く。
車高調はHKSのハイパーマックスSだ。そこに、326パワーのスプリング(F32kg/mm R20kg/mm)を組み合わせてストロークを規制している。キャンバー角は、フロントが45mm延長ロアアーム投入でネガ11度、リヤはスキッドレーシングの調整式アッパーアームでネガ8度にセット。
内装は白黒のモノトーンを基調とした作り込みで、シートはレカロSR-3の張り替え仕様で、ダッシュボードもスウェード生地を張り込んでコーディネイト。牛柄カラーのロールケージは、つばささんの地元である三重県の大内山牛乳に着想を得た遊び心から。
「現状はとりあえず目指していた形になったばかりの状態。今後は、車両製作時からコンセプトに掲げていた“ドリ車”としてきっちり煮詰めつつ、置き系のイベントにも出したいですね」と語るつばささん。
自分の中で明確なテーマを定めて、それに沿ってイジっていくというのも改造の醍醐味。チューニングの楽しさが伝わってくる1台だ。
PHOTO:平野陽(Akio HIRANO)
●取材イベント:第14回R34スカイライン祭り