「夢のコペン、堂々完成！」車検をパスできる縦置きエンジン完全FR仕様の全て

公開日 2025/02/20
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著者 weboption

コペン専門店だから実現した車検対応パッケージ！

本家ダイハツの先を行くから“フライング”ビジョンコペンなのだ！

ジャパンモビリティショー2023のダイハツブースに飾られていた、FR駆動レイアウトのコンセプトカー“ビジョン・コペン”。これに触発され、「本家よりも先にストリートで走らせちゃえ！」という軽いノリでスタートしたコペン専門店“も。ファク”の縦置きFRコペン製作プロジェクト。

「ビジョン・コペンをオマージュして“先取りしたら面白そう”って冗談からスタートしたので、モデルネームは“フライング”ビジョン・コペンです(笑) 結局、カタチにするだけで3ヶ月くらいかかりました」と笑顔で語るのは、“も。ファク”代表の森本さん。

「たった3ヶ月で!?」と驚くばかりだが、森本さんにとっては「3ヶ月も」という認識なのだとか。というのも、作業だけを突貫でやるなら2週間ほどで仕上げられる内容で、大半は公認車検を取得するための合法メイキングに時間を費やしたそうだ。細部を見ていく。

違和感なく縦置きでマウントされた直列3気筒のKF-VETエンジン。サスメンバー位置の関係で、エンジン搭載ポイントはおのずと決まってくるが、駆動系のレイアウトなどを検討した結果、ノーマルに対して20mmほど低くマウントしている。

補機類との位置関係まで考慮しながらベストなエンジン搭載位置を割り出し、JB23用エンジンマウントが利用できるブラケットをワンオフ製作。グリーンのダクトホースはステアリングシャフトのカバーだ。

ステアリングラックはテリオスキッド純正を逆付けで流用し、ハイゼット用ナックルに接続。オイルパンはエッセ用だが、これはステアリングラックと干渉しない唯一の形状だったからだ。

リヤのホーシング周辺は、コイルスプリングを使用するハイゼットバンから流用。リヤダンパーは暫定の超ロング仕様だ。エキゾーストマフラーは、スペースが空いたリヤアンダー部に大型タイコを配置する4本出しでレイアウト。

KF-VETの縦置き化によってエンジンルーム内にスペースが生まれたため、タービンには大型のギャレットGBC14をマッチング。現在は、暫定セットアップで129.4ps＆15.49kgm（補正無し）を出力させている。

驚くほど自然に仕上げられたエンジンルームだが、アングルを変えればホース類の取り回しに苦心の跡がうかがえる。エンジンの搭載位置が90度変わるため、ホースやハーネス類は現物合わせの延長加工が実施されているのだ。

本来、ラジエターは助手席側に設置されているが、ターボとの距離や配管の取り回しを考えて運転席側へと移設されている。

エンジンマネージメントには、フルコンのLINK G4エクストリームを投入。今後、バブリングシステムやアンチラグを実装するための布石でもある。

ミッションはフロアトンネルを拡大加工した上でハイゼット純正5速を流用しているが、ワイヤーケーブルの取り回しが真逆になるため、テリオスキッドのシフトリンクを使ってリメイク。ノーマル然としたインテリアメイクは、森本さんの拘りだ。

“縦置きエンジン”をチラ魅せしつつ、雰囲気を演出するための策が、TRDのJZA80用3000GTボンネットをオマージュしたダクト付きボンネット。幅や位置など綿密に計算して導入したという。

リヤウイングはJワークスのローブ用を加工装着したもの。セロ用がラインナップされていないため、さりげないオリジナリティのアピールに打って付けとの判断だ。

「キット化して市販とかは考えてないですが、欲しいと言われれば再現できるように作業するのは、ウチのいつもの通りです。ワンオフパーツ盛り沢山のレーシングカーでは面白くないでしょ!? もちろん、それなりに大きな加工も必要ですが、構造変更で公認車検が取得できるように他車種の純正パーツをフル活用するなどして仕上げていますよ」。

ちなみに、コーナーウエイトで重量配分を計測してみると、フロント484.5kg：リヤ382kgと絶妙なバランス。総重量も微増で、ノーマルに対して15kg程度しか増えていなかった。