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RB26DETTの弱点を補うスーパーチャージャー仕様!
電磁クラッチ式のORCスーパーチャージャーをフル活用
高回転・高出力型のRB26DETTでは、どうしても低中速トルクに物足りなさを感じてしまいがちだ。それを改善する手段としてよく知られるのがVカム化や排気量アップなのだが、それらとはまるで異なるアプローチに挑戦したのが神奈川県の“ビーレーシング”。スーパーチャージャーを導入することで、低中速トルクの問題を解決しようと考えたのだ。
使われるスーパーチャージャーは、400ps対応のORC T15改。エンジンルームを覗いてみると、スーパーチャージャーの装着にあたって、インテーク周りに大幅に手が加えられている。というのも、スーパーチャージャーはプーリーとベルトの位置関係から装着場所が決まり、ターボのようにレイアウトの自由度が高くないからだ。
そこでまず、純正6連スロットルのままではスペース的に厳しいため、インフィニティ90φスロットルに交換。それに合わせてインマニやサージタンクを作り直すのは当然、ベルトやパイピングを逃がすために、ラジエターホースの取り出し口を変更したり、オルタネーターを移設したりということまで行われている。
吸気の経路は“ターボ→インタークーラー→スロットル→スーパーチャージャー”。スロットルの後ろにスーパーチャージャーを配置することで、その位置関係が逆転する6スロではリリーフバルブを設けないと発生しがちな、アクセルオフ時の吹き返しによるスロットルレスポンスやフィーリングの悪化、パイピングの抜けなどを防いでいる。
制御系にはF-CON Vプロを使用。燃調&点火時期のリセッティングやエアフロレス化が行われる他、エンジン回転数とスロットル開度によってスーパーチャージャーのオンオフもコントロールしている。
センターコンソールの3連メーターはニスモ製に交換。その上にはデフィ水温、油温、排気温計がセットされる。また、ステアリングコラム左側にはHKS EVCのディスプレイユニットも装着。
最大ブースト圧はスーパーチャージャーもターボ(純正タービン)も1.0キロに設定され、400psを発揮。スーパーチャージャーの作動領域は2000〜4000rpmで、エンジン回転数とスロットル開度によりオンオフ制御が行われる。4000rpmでスーパーチャージャーをカットするのは、そもそも低中速トルクだけを補えればOKと考えているから。また、4000rpm以上でスーパーチャージャーを作動し続けるとターボの過給が上乗せされ、ブースト圧が1.6キロくらいまで上昇してしまう…というのも大きな理由のひとつと言っていい。
試乗してみると、2000rpmからのトルク感がまるで別モノ。街乗りで多用する3000rpm前後では、排気量アップしたのと同じかそれ以上のトルクを体感できるから非常に乗りやすい。4000rpmでスーパーチャージャーが切れる瞬間、かすかな衝撃が感じられるが、ターボへのバトンタッチは極めてスムーズ。完成度は相当に高いというのが率直な感想だ。
実用域での扱いやすさと実質的な速さを実現するだけでなく、見ためにも思いきりチューンドカーらしさを演出できるツインチャージ仕様。見事な完成度だ。
●取材協力:ビーレーシング TEL:042-799-7800
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