「小学生が猛者揃いのドリフト大会で表彰台に!」ドリフト開始は4歳、シーケンシャルミッションも使いこなす新世代ドリフターの素顔

次世代のニューカマーが進撃開始!

600馬力のツアラーVを振り回す12歳って・・・

栃木県の日光サーキットで開催された“MSCチャレンジ(エキスパートクラス)第2戦”で、なんと小学6年生の箕輪大也くんが予選をトップで勝ち上がり、決勝トーナメントでも3位に輝くという快挙を成し遂げた。

その走りは圧巻の一言で、まだあどけなさが残る顔からは想像も付かないアグレッシブな走りで審査員を魅了。27名の猛者が参加したエキスパートクラスの予選で90点を突破したのは大也くんのみ(92点)で、まさに前途有望なニューカマーの登場と言えるだろう。

箕輪大也くんは現在12歳(8月15日が誕生日)。ドリフトに興味を持ったのは4歳の頃で、当時の遊び道具は三輪車…ではなく、クレイジーカート(ドリフト用のカート)だったそうな。何とも恐ろしい話だが、大也くんの両親が“フォーミュラドリフトジャパン”で活躍する箕輪慎治選手&昌世選手と聞いて納得。ドリフト界の超エリート一家で育ったのである。

「強制はしていません。ラビー(ラビー西田選手)やダイゴ(斎藤太吾選手)なんかと一緒に行動しているうちに、自然と興味を持つようになったという感じですね。実車デビューは7歳くらい。オートマのクルマでエビスサーキットを走ったのが最初だったと思います。本格的にMT車でドリフトに取り組みだしたのは、小学5年生からですね」とは父・慎治さん。

つまり、わずか1年足らずでエキスパートレベルの走りができるまでに成長したというわけだ。

ちなみに、レースには母親の本番機(JZX100チェイサー)で出場。1.5J+TD07タービン仕様で600馬力を発生させる強心臓を有し、ミッションもクワイフのシーケンシャルという超ハイスペック仕様なのだが、大也くんは違和感なく乗りこなしたそう。

慎治さんは笑いながら話す。「最初からシーケンシャルに乗せようと思っていたので、練習用に導入したアセットコルサ(シミュレーター)もシーケンシャルシフトで操作させていました。それと、実車での走行に関しても、かなり早い段階からパイロンを並べてアウトクリップを取る走りを覚えさせたり。本人はゲーム感覚で楽しんでいましたよ」。完全にドリフト英才教育である。

なお、タイヤはハイグリップのアドバンネオバAD08Rを履いているが、これは横浜タイヤからの供給とのこと。大也くんの可能性に注目した横浜タイヤが、すでにサポート体制に入っているのである。

レース本番ではガチガチに緊張していたそうだが、予選2本目で91点という圧巻の走りを決めて1位通過を果たす。追走トーナメントに入っても勢いは衰えず、ベテラン勢を次々と撃破しながら準決勝に進出。シリーズランキング1位の高嶋健市選手に敗北したものの、見事に3位表彰台を獲得したのだ。

「このままポイントを稼いでいって、来年はFDJ2(フューミュラドリフトジャパンの下位リーグ)にステップアップさせたいですね。そうなったら僕が使ってる3.4L仕様のエンジンをあげようかなって(笑)」と慎治さん。

凄まじいスピードでトップドリフターへの階段を駆け上がる大也くん。フォーミュラドリフトジャパンを舞台に、親子3人で優勝を懸けて闘う日も、そう遠くはないのかもしれない。

PHOTO:金子信敏
取材協力:MSCチャレンジ

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