「このEK型シビックの違和感に気づくことができるか!?」目からウロコの超絶ボディワーク炸裂!

この世に存在しないはずのEK型シビック5ドアハッチ仕様!

ショーカーとしての作り込みも超ハイレベル

あまりにも自然な出で立ちから、このシビックが超ハイレベルなボディワークの賜物であることに気付かない人は多い。なんと、この世に存在しないはずのEK型5ドアハッチバック仕様を、セダンのフェリオベースで作り上げてしまったのだ。

「同様のフェリオ改5ドアEKシビックは、元々、海外で何台か製作例があったんです。いつか作りたいなとは思っていたんですが、2022年に日本国内で製作した方がいらっしゃって、“先を越されてしまった!”と(笑) なので単なる5ドア仕様とするのではなく、よりハイレベルなショーカーとして戦えるレベルで製作することを決意したんです」。そう語るのは、この変態的シビックの製作者である“クロスポイント・インポート”の千葉雅嗣さん。USカルチャーに精通したビルダーだ。

ベースとなっているのはEK3型シビックフェリオ。画像ではクォーターパネルの後方部分からトランクフロアにかけてバッサリとカットされているが、ここからさらにCピラーに近い部分まで切り取り作業が行われた。

カットした部分に合わせて、3ドアハッチのリヤセクションをドッキングしている段階の画像だ。ルーフの幅や形状も異なるため、現物合わせでのメタルワークが繰り返された。

製作段階からリヤの内装は3ドアハッチでいくつもりだったため、ボディのインナーパネル類は3ドアハッチのものを加工溶接してドッキングした。

給油口もナチュラルに構築。3ドアハッチのインナーパネルを使いつつ純正のプレスラインに合わせてリヤフェンダーを成形していくと、給油口は自然とこの位置で決まるそうだ。

こうしてカタチになったのが現在の姿。ディティールの処理まで含めて、さも純正で5ドアハッチ仕様があったかのような自然な雰囲気で仕上げられている。

そんな珠玉の5ドアEKシビックをベースに千葉さんが注ぎ込んだのが、得意とするUSエッセンスだ。前後のヘッドライトとテールランプにはUSシビック純正を投入し、トータルフォルムを引き締める。

千葉さんの拘りは搭載エンジンにも及ぶ。シングルカムVTECのD15Bエンジンは降ろされ、日本国内仕様車には搭載されなかった“D16Y8”をあえて換装しているのだ。USらしさを演出するための一手とのことだが、超マニアックなエンジンスワップと言えよう。

さらに、ストラットタワー付近やバルクヘッドなど各部を徹底的にスムージングしつつ、Rywire製タックドエンジンハーネスを用いてワイヤータック化も敢行。同時にラジエターもRywireとCSFのコラボレーションで製作されたタックドラジエターを使って、その存在を極限まで目立たなくしている。

ダイレクトイグニッション化も施され、B型&D型エンジンウィークポイント改善と見た目のスマートさを両立。このB型&D型用ダイレクトイグニッションキットに関しては、今後クロスポイント・インポートから発売する予定でプロジェクトを進めているそうだ。

ヘッド周りやエキゾーストマニホールド、エンジンマウント部など随所にブルーのボルトが配されているが、これはアメリカ“Down star”製のD型エンジン用ドレスアップハードウェアキットと呼ばれるもの。搭載エンジンごとに必要なボルト類がまとめられたコンプリート製品で、統一感のあるエンジンベイに大きく貢献してくれる。

コクピットにはUSホンダ純正のマイルメーターを装着。シートはブリッドのガイアスIIIを2脚投入している。

なお、ベース車に左ハンドル車ではなく右ハンドル車をチョイスした理由に関しては、「あえて右ハンドル車にUS要素を盛り込んでいくのが面白いんですよ。そもそも、左ハンドル車で作ったら普通の並行輸入車ですから(笑)」とのこと。

ボディ形状の変更に合わせて、ルーフおよびピラーの内張りはアルカンターラで張り替え。エクステリアのみならずインテリアもシンプルかつクリーンな印象でまとめ上げているのだ。

リヤシートはあえてEK9純正を採用。これは、フェリオには無いトランクスルー機構を導入するためだ。トノカバーもEK9純正が違和感なく機能する。

「ショーカーとして作ったんですが、イベント出展時に少しでも多く荷物を運べたらいいなって」と千葉さん。

ホイールはエンケイ新作のパフォーマンスラインPF06(8.0J×16+30)をセレクト。タイヤはヨコハマタイヤのアドバンフレバV701(215/45R16)を組み合わせる。

ちなみに、かなりハードなボディワークが施されているものの、ボディ剛性の核となる部分には手が入っていないことなどから、全長の記載変更のみでの車検取得に成功していたりする。あらゆる意味で完璧なのだ。

千葉さんは言う。「これはカスタムのスタート地点に過ぎない」と。脳裏には、この魔改造シビックをさらに進化させていく様々な案が駆け巡っているというのだ。近い将来、どこかのイベントで再会する日が今から待ち遠しいかぎりだ。

PHOTO:Akio HIRANO
●取材協力:​X-POINT import 千葉県鎌ヶ谷市初富97-4 TEL:047-404-6704

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