「WRC王者もビックリの超性能!?」フォーミュラDジャパン制覇のために開発された魔改造GRカローラの全て

カッレ・ロバンペラのためにクスコが総力を上げて開発!?

心臓部はHKS3.4L仕様の2JZで常用800馬力オーバー

リヤタイヤから白煙を巻き上げながら、エビスサーキット西コースで豪快なドリフトを決めるRed BullカラーのGRカローラ。かなりインパクトのある光景だが、これは“クスコ”が水面下で開発を進めていたフォーミュラDジャパン参戦仕様「Red Bull GR COROLLA」の勇姿だ。

ドライバーは、WRC2022王者のカッレ・ロバンペラ選手(22歳)。そう、事前のアナウンス通り、フォーミュラDジャパン第2戦(5月20日〜21日)の舞台にラリー界の至宝が乗り込んできたのである。

レース結果はさておき、ここではWEB OPTIONらしく最速で魔改造GRカローラのマシンメイキングに迫っていこうと思う。

ドライブトレインは全てリメイクされており、3.4Lの2JZエンジン→サデフのシーケンシャルミッション→ワンオフのプロペラシャフト→クイックチェンジデフ→GT-Rドライブシャフトへと繋がる完全FR駆動のレイアウトを構築。各部の作り込みを見るかぎり、スペックは同社が2020年に製作したFRドリフト仕様のGRヤリスをトレースしていることが分かる。

エンジンは、HKSの3.4Lキャパシティアップグレードキットで排気量を拡大した2JZをスワップ。組み合わせるタービンは同じくHKSのGT75100_BBシングルで、常用出力は800ps前後(ローブースト)の設定。その気になれば1000psも狙えるスペックだ。スロットルは大口径の電子制御式に置き換えられ、LINKフルコンでアンチラグ機能を実装している点も注目したい。油脂類はモティーズがフルサポートする。

重量配分を考慮し、ラジエターはリヤに設置。リヤクォーターガラス部に設けられた左右のインレットダクトからフレッシュエアを取り込み、コア背面の電動ファン(引き抜き用)でフロア下へと強制排出する仕組みだ。

一方の足回りは、クスコ製の車高調を軸にセットアップ。アップライトはアルミビレット削り出し、各アームも調整式のスペシャルを投入することで驚異的な切れ角を実現している。ステアリングラックはトヨタのJZX100系を流用。ブレーキはエンドレスのキャリパーキットを組む。

ホイールはヨコハマのアドバンレーシングRS-DFプログレッシブ(F18×10J R18×10.5J)、タイヤは同じくヨコハマのアドバンネオバAD09でサイズはフロントが255/35R18、リヤが275/40R19。この変則的なタイヤチョイスについては「スタートからの転がりの良さを重視した結果」とのこと。

リヤデフは短時間でファイナルギヤの変更が可能なSIKKYのクイックチェンジに置き換え、内部LSDにはクスコのオリジナルをインストール。エキゾーストシステムは名門“フジツボ”のワンオフだ。

室内は完全なレーシング仕様だ。ギアボックスはWRカーの定番“サデフ”のシーケンシャルドグを採用。シートは軽量化かつ剛性の高いブリッド製のフルバケットを導入し、慣性マスの集中化を追求すべくシート位置は後方にオフセットさせている。

ロールケージはフル溶接留めのスペシャル。レイアウトを含め、全日本ラリーを始めとするレースシーンで活躍するクスコらしい仕上がりだ。リヤシート部分は隔壁で覆い尽くし、そこにATLの燃料タンク(安全タンク)を設置している。

エクステリアを覆うエアロパーツは、クスコのオリジナルワイドボディに“GROW”(レーシングドライバーの佐々木雅弘選手がプロデュースするブランド)のアンダーリップを組み合わせたスペシャル。Red Bullフルカラーとのコンビネーションが周囲を圧する。

実際にこのGRカローラを走らせたロバンペラ選手は「めちゃくちゃクールで楽しいマシンだね。パワーもトラクションも申し分ないレベル。こんな素晴らしいドリフトスペックを用意してくれた方々に心から感謝したい!」と絶賛。

WRCの現役トップドライバーすらも納得させる高性能。日本のパーツメーカーが総力を結集して作り上げた究極のGRカローラ、見事としか言いようがない。

PHOTO:小竹 充
●取材協力:キャロッセ TEL:027-352-3578/横浜ゴム/レッドブル・ジャパン

「衝撃的すぎる・・・WRC世界王者が日本のドリフト大会に参戦表明!」カッレ・ロバンペラが魔改造GRカローラで暴れ回る!?

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