シンプルなスクエアフォルム 高バランスな走りや操舵感覚

ミニバンと言えばFRの商用車をベースとするのがあたりまえの時代に、FFの乗用車をベースとした初代ステップワゴンが登場したのは1996年のこと。
エクステリア




今ではほぼすべてのミニバンが乗用車ベースだが、そのパイオニアなのだ。当初はスマッシュヒットとなりホンダの業績をグンッと上向かせたが、日産セレナ、トヨタ・ヴォクシー/ノアといったガチンコのライバルが徐々に追い上げ追い越していき、販売面での現状は芳しいとは言えない。だが、走りやユーティリティで劣っているわけでは決してない。むしろ他より優れている面も少なくないのだ。
乗降性



現行モデルは2022年5月に登場した6代目で従来どおりに2タイプが用意されるが、標準車は新たにAIRというサブネームがつき、カスタム仕様車はこれまで通りSPADAと呼ばれる。25年にはAIRの上級仕様である「AIR EX」を追加。SPADAにはもともと上級仕様の「SPADA プレミアムライン」があったが、同時期に「ブラックエディション」も追加された。パワートレインは2.0ℓエンジン搭載のハイブリッドであるe:HEVと1.5ℓターボ+CVTのエンジン車の2種類。エンジン車では4WDが選べるが、e:HEVはFFのみとなっている。
インストルメントパネル

先代との大きな違いはエクステリアデザインで、ギラギラとして威圧的なモデルが多いミニバンの中にあってクリーン&シンプルとして他とは一線を画している。それが世に受け入れられるかどうかは一種の賭けでもあったが、シンプルさが特に際立つAIRの反響は大きかったことからひとまずは成功と言えるだろう。ただし当初AIRではパワーテールゲートをはじめ、数々の装備が選べないという不可解な設定だったため、購入を見送るケースが発生。「AIREX」はその点を改善した格好だ。 プラットフォームは3代目から受け継がれたもので少々古いのだが、サイドシルの大型化や構造用接着剤を多用するなど大幅に手が入れられている。それによる走りの性能は見事としか言いようがなく、操縦安定性と快適性は高い次元でバランスしている。
居住性



しなやかな乗り心地でステアリング操作に対する反応もやや穏やかではあるが、コーナーを攻めるような走りにもしっかりとついてくるのだ。勝手知ったるプラットフォームをじっくりと熟成させたことが功を奏したのだろう。1.5ℓターボのエンジン車は低回転からトルクが充実していることに加えて車両重量が軽いので軽快な走りが魅力となる。CVTの制御の進化によってエンジンが先行して吹き上がってしまう悪癖は抑えられているので、ドライバビリティもまずまずだ。だが、e:HEVに乗り換えるとあらゆる面で圧勝だと言える。アクセル操作に対してのレスポンスが素晴らしく、トルクもひと際太いので街中でも高速道路でも頼もしいのだ。
うれしい装備






月間販売台数 4778台(25年5月~10月平均値)
現行型発表 22年5月(グレード追加 25年5月)
WLTCモード燃費 19.8㎞/ℓ※「e:HEV AIR EX」

ラゲッジルーム



静粛性も高いので洗練された雰囲気でもある。先代のe:HEVに比べると、登り坂などでもエンジン回転がいきなり上がることがないなど制御がブラッシュアップされた。パワートレインに関してもライバルに勝るとも劣らないステップワゴン。競争力は十分に高いはずだ。


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