後席の広さは同じくらい! 荷室の使い勝手はCX-60に軍配




新型RAV4 PHEV Zグレードのボディサイズは全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mmだが、GR専用デザインのエアロパーツが与えられるGRスポーツは全長と全幅が拡張されている。
CX-60 PHEVのボディサイズはそれ以上に大きく、FRベースであることでプロポーションもFFベースのRAV4 GRスポーツとは大きく異なる。両者のデザインディテールに至っては対極の位置にあると言ってよいだろう。
後席の広さは膝まわり、頭上空間ともに同じくらいだが、より直線に近いルーフ形状となるRAV4 GRスポーツの方が後席の開放感は高い。5名乗車時の荷室寸法はRAV4 GRスポーツが長さ959mm×幅1002mm×高さ842mm、CX-60 PHEVは975mm×1130mm×817mmでほぼ同等と言ってよいだろう。
荷室にはどちらも伸縮式トノカバーが備わり、外したトノカバーも床下に収納可能だ。CX-60 PHEVはバックドアに引っ掛けられる構造になっており、バックドアを開けた際にトノカバーが自動的に持ち上がるようにしても使えるうえ、後席から背もたれを倒せるレバーも備わっている。荷室はCX-60 PHEVの方が使いやすそうだ。
トヨタ RAV4 GR SPORT
ボディサイズ=全長4645mm×全幅1880mm×全高1685mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1990kg
タイヤサイズ=235/50R20(前後)
マツダ CX-60 PHEV Premium Sport
ボディサイズ=全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm
ホイールベース=2870mm
車両重量=2100kg
タイヤサイズ=235/50R20(前後)
燃費とEV走行距離はRAV4 GRスポーツが圧倒


RAV4 GRスポーツのパワートレインスペックはZグレードと共通となる第6世代THS-IIだ。
エンジン出力は旧型比で約10%強化され、モーターはフロントが約12%向上した最高出力206ps/最大トルク272Nmとなった。後輪は2%程度向上した最高出力55ps/最大トルク123Nmのリヤモーターで直接駆動される。CX-60 PHEVと同じくCHAdeMO規格のDC急速充電に対応したことも新型RAV4 PHEVの大きなトピックだ。
対するCX-60 PHEVは、エンジンとクラッチ間に搭載した最高出力175ps/最大トルク270Nmのモーターで4輪を駆動するため、走行時の振る舞いはRAV4 GRスポーツと明確に異なる。
システム出力はCX-60 PHEVの323psに対して、RAV4 GRスポーツは329psと僅差だが、WLTCモード平均燃費ではCX-60 PHEVが14.3km/Lで、RAV4 GRスポーツが21.5km/Lと大きな差がある。さらにEV走行距離はCX-60 PHEVの71kmに対し、高効率化を図った新型RAV4 GRスポーツは145kmと2倍もの差をつけた。
しかし、パワートレインの性能だけで両車の魅力は語れない。同じプラグインハイブリッド車であっても、主駆動輪の違いがもたらすシャシー特性やハンドリングは両極端だ。
RAV4 GRスポーツはサスペンションとパワーステアリングに専用チューニングを受けるほか、ヤマハ製パフォーマンスダンパーとリヤサスペンションメンバーに補強ブレースを追加。GRスポーツはRAV4をベースとしたシャシーチューニングでスポーツ性を高めており、サスペンションは明確に硬いものの突き上げ感は徹底的に抑えられている。
CX-60 PHEVは市販車では珍しいピロボールブッシュの採用に加え、ピッチセンターを車両後方に設定した特異なサスペンションジオメトリーによりピッチ動作が抑えられた自然な動きが特徴だ。低速走行時の凹凸ではやや硬めの乗り味が顔を出すものの、それ以外のシーンでは重い車重にも関わらずスポーツカーのように軽快な走りを見せる。
トヨタ RAV4 GR SPORT
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=186ps/6000rpm
最大トルク=229Nm/4400-4800rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
マツダ CX-60 PHEV Premium Sport
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2488cc
最高出力=188ps/6000rpm
最大トルク=250Nm/4000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=4WD
両極端な性格のラグジュアリースポーツPHEV同士


RAV4 GRスポーツの新車価格は630万円、CX-60 PHEVプレミアムスポーツは649万5500円だ。CEV補助金はRAV4 GRスポーツが85万円で、CX-60 PHEVが84万円となり、両者の価格帯は非常に近い。
どちらもフロントおよびフロントドアガラスに遮音ガラスを採用。2ゾーンエアコンが標準装備であり、前席は両者ともに電動シートでベンチレーション機能も備わる。
ただしGRスポーツでは一部の快適装備が省かれている点に注意したい。アダプティブハイビームヘッドライトや空調オールオート制御、運転席シートポジションメモリーや運転席オートスライドアウェイ機能などは新型RAV4 PHEVのZグレードには標準で備わるが、GRスポーツには備わらない。
加えてRAV4は、先代では標準装備だったリヤシートヒーターがZグレード、GRスポーツ揃って非採用となっている。高額なPHEVを購入する人は快適性も重要視するはずだ。スポーツモデルとはいえGRスポーツの装備選定にはやや不整合を感じざるをえない。
対するCX-60 PHEVはリヤシートヒーターがしっかり用意され、アダプティブヘッドライトやシートメモリー機能も標準装備だ。快適装備の面ではCX-60 PHEVに軍配が上がる。しかし、プラグインハイブリッド車としての性能はRAV4 GRスポーツの方が明らかに高い。
どちらもプラグインハイブリッドシステムを最大限活用したラグジュアリースポーツSUVである点は共通だ。ただし、RAV4 GRスポーツはシャシーチューニングによってスポーツ性を引き上げたクルマ、一方のCX-60 PHEVはクルマ全体がスポーティに仕立てられたクルマであり、両者のキャラクターは内外装デザインを含めて対照的とも言えるほどに異なっている。
車両本体価格
トヨタ RAV4 GR SPORT:630万円
マツダ CX-60 PHEV Premium Sport:649万5500円
