「やりすぎ上等」TCRを屋根切り!イベント仕様の衝撃作
“天才タマゴ”の異名を持つTCRエスティマを、まさかのオープン化。イベント仕様として誕生し、『スタイルワゴンクラブ』の15周年記念ラッピングをまとった1台は、強烈なインパクトを残した。オーナーと仲間が語る、その魅力とは。

時代を超えて語られる“何でも似合う”懐の深さ
“天才タマゴ”の愛称で知られるTCRエスティマ。その滑らかなフォルムは、登場から年月を重ねた現在でも色褪せることなく、多くのカスタムファンを魅了し続けている。そんな1台をベースに、イベントシーンへ強烈なインパクトを残したのが、このオープン仕様だ。
ルーフを大胆にカットしたチョップドスタイル。常識的に考えれば“やりすぎ”とも言える手法だが、不思議と違和感がない。それどころか、もともとのワンモーションフォルムが持つ美しさをさらに際立たせているのが印象的だ。
「TCRエスティマって、どんなスタイルでも似合うクルマなんですよね」
そう語られる通り、このボディはVIP系からスポーツ、さらにはアメリカンまで幅広い表現を受け止めてきた。その懐の深さこそが、長く愛される理由でもある。
この車両はイベント仕様として製作され、2012年の東京オートサロンで披露。さらに「スタイルワゴンクラブ」15周年を記念したラッピングが施され、特別な1台として仕上げられている。ホワイトにリペイントされたボディに、アニバーサリーロゴが大胆に描かれたその姿は、まさに“魅せるためのエスティマ”だ。
当時のシーンを知るオーナーとその友人は、TCRの魅力についてこう振り返る。
かつてのイベントでは、フルエアロに深リムホイール、そして極低車高というスタイルが当たり前のように並び、そのレベルの高さに圧倒されたという。
「自分のクルマで勝負できると思って行っても、周りがすごすぎて驚いた」と語るほどだ。
一方で、時代ごとにスタイルが変化しても、TCRは常にその中心にいた。

「シンプルでも、ラグジュアリーでも、スポーツでも成立する。こんなクルマはなかなかない」と口を揃える。その言葉通り、このオープン仕様もまた“やり方次第でどうにでもなる”というTCRの特性を象徴する存在だ。
もちろん、ベース車としての入手難易度やパーツ事情は年々厳しくなっている。しかし「それでも作りたいと思わせる魅力がある」と語るように、その価値は今なお揺るがない。むしろ、手間や時間がかかることさえ楽しみの一部だという。
そして最後に、こんな言葉が印象的だった。
「もしまたチャンスがあるなら、10年後にもう一度作ってみたいですね」
――あれから約10年。
当時語られた“その時”は、いままさに現実の時間軸に重なっている。
当時はイベント仕様として生まれたオープンTCR。だが、もしいま作るとしたらどうなるのか。現代のカスタムシーン、進化した技術、そして成熟したセンスを掛け合わせたとき、この“屋根切りエスティマ”はどんな姿へとアップデートされるのか――想像は尽きない。
色褪せるどころか、時間を経たことでさらに魅力を増したTCRエスティマという存在。次の10年を見据えた“新しいTCR”の誕生を、期待せずにはいられない。

SPECIFICATION
● BASE:TCRエスティマ(平成11年式) ●エアロ:F=Tセレクション・アトラクティブ加工、S=マック加工、R=ファブレス加工 ●ホイール:スーパースター・レオンハルトヴァッフェ(19×F9J、R10J) ●タイヤ:グッドイヤー・イーグル LS2000(F225/35、R235/35)●サスペンション:車高調 =ケイブレイク ●マフラー:ワンオフ ●ボディカラー:オリジナルホワイト(全塗装)
※装着パーツ・仕様は当時の取材内容を掲載。



