DIYでここまでやるか!?

ドリ車でもショーカーでもない孤高のRX-8!

正統派スポーツ、JDM、VIP、スタンス……カスタムカーにはさまざまなジャンルが存在する。しかし、このRX-8はそのどれにも当てはまらない。オーナーの石嶋さんが「自分のやりたいこと」をひたすら積み重ねた結果として生まれた、唯一無二のロータリーチューンド。その内容は、もはや規格外と呼ぶほかないレベルだ。

ベースとなったRX-8は、約20年前に購入したもの。当初はローダウンとバイナルを施した程度のライトな仕様だったが、エンジョイドリフトを続けるうちに「人と違うクルマを作りたい」という思いが強くなり、少しずつ現在のスタイルへと進化していった。

とはいえ、石嶋さんの目的は大会で勝つことでも、タイムを追求することでもない。

「シャコタンを極めたいんですよね」。そう笑う言葉どおり、クルマを作り込む過程そのものを楽しんでいるのだ。

そそんな愛機のエンジンルームに収まるのは、ユーノスコスモ由来の20B型3ローターユニット。以前から憧れていたという20Bを偶然入手できたことをきっかけに、換装を決断した。

搭載にあたってはNCロードスター用メンバーを加工して使用。インテークマニホールドは20B純正を流用し、エキゾーストマニホールドは完全ワンオフで製作した。初挑戦となった輪切りパイプによるエキマニ製作には、かなり苦労したという。

組み合わせるタービンはT88-34D。最終的には800psを視野に入れた仕様で、LINK制御のフルコンや電子スロットル、Vマウント冷却システムなど周辺まで徹底的に作り込まれている。さらに、マフラー出口やウエストゲートの大気開放パイプはボンネットから突き出すレイアウトを予定しており、その迫力はD1マシン顔負けだ。

そして、このRX-8最大の見どころとも言えるのが、前後に構築されたプッシュロッド式サスペンションだ。

GTマシンなどを参考にしながら見よう見まねで製作したというハンドメイド機構で、フロントにはGSX1300用、リヤにはロードスター用のダンパーを流用。さらにシルビア用ロッドや軽自動車用ハブなどを組み合わせ、独自のシステムとして完成させている。

もちろん、単なる見た目重視のカスタムではない。

フロントは切れ角アップ、リヤはストローク量確保を目的としており、ワイドタイヤへの対応はもちろん、バネ下重量の軽減やタイヤを外さずにセッティング変更ができるなど、多くのメリットを持つ本格的な機能パーツでもある。

リヤ側はすでに実走テストを終えており、現在はフロント側のプッシュロッド化も完了。さらなるアップデートが進められている最中だ。

外装にはパンデム製ワイドボディキットを投入しつつ、ガゼルパンチにてフルチルト式フロントカウルをワンオフ製作。フロント周りはセミパイプフレーム化され、プッシュロッド化に伴ってストラットタワーまで撤去されている。

さらにドアはガルウイング化され、ライトブルー×ブラックのボディカラーと相まって圧倒的な存在感を放つ。

ホイールには艶消しブラック仕上げのワーク・エクイップを装着。サイズはフロント11Jマイナス8、リヤ12Jマイナス8で、タイヤにはヴァリノ製18インチを組み合わせる。プッシュロッドサスペンションの採用によって、狙いどおりの極低スタイルを実現しているのだ。

インテリアは徹底的に軽量化されたドンガラ仕様とし、サイトウロールケージ製ロールケージを装着。もともとはダッシュ逃げタイプだったが、Aピラー補強プレート追加に伴い、ダッシュ貫通バーを備えた特殊レイアウトへ変更されている。

なお、ミッションは現時点ではRX-8純正を継続使用。壊れたら載せ替える前提で運用していく予定とのことだ。

仲間たちの協力を得ながら約2年にわたって進められてきた大規模アップデートも、いよいよ終盤戦。20B換装はすでに完了し、残す作業はエキゾースト製作とECUセッティングのみとなった。

DIYだからこそ実現できた自由な発想と圧倒的な熱量。そのすべてを注ぎ込んで作り上げられた孤高のRX-8が、白煙を巻き上げながら走る日を楽しみに待ちたい。

●取材イベント:Red Bull Tokyo Drift 2026

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