前回はこちら
<土屋流の極意>
ドラポジはペダルよりもハンドルを優先する

シートに奥深く腰掛けるのが基本中の基本。ハンドルの頂点を少々とおり過ぎたところまで切っても肘が伸びきらない位置に合わせるのが土屋流。
よいコーナリングを決めるには、操作の司令塔であるドライビングポジションが決まらないと話にならない。力むと繊細な操作や素早い対応ができなくなるので、不必要な力が入らないポジションが理想。
土屋さんは「ハンドルが遠いと力みやすい」との理由から、ドラポジはハンドルとの距離、上半身の位置を最優先している。「ハンドルは大きく切ったときでも肘が伸びきらないこと。カウンターを切るときや、何かあったときに、対処しやすいこの距離感が大事。

大きく切っても肩が浮かないように、背もたれもけっこう立ち気味。ハンドルよりも肩が下がっていると運転しにくいから、チルトで結構ハンドル位置は下げているし、座面もあまり低くしない。座面が低いとクリップも見えづらくなる。
みんなはローポジがいいというかもしれないけど、クリップが見えないと本末転倒。肩とハンドルの頂点が同じような高さになる座面の位置がちょうどいいと思うし、運転しやすい。こうして上半身のポジションが決まれば下半身は自ずと決まる。仮にペダルまでの距離が少々狭くなったとしても、手腕に余裕があって、ハンドルを自由かつしなやかに動かせることにプライオリティを置きたい」

低速コーナーと高速コーナーで異なるステアリングワーク

ヘアピンなど大舵角が必要な
低速コーナーは「引く」から開始
右コーナーなら右手を12時まで迎えに行き、引いて回して足りなければ左手で押し足す。戻すときは押した手で戻す。片手はつねに何かあったときのために待機状態に。
高速コーナーは「押す」

ハンドルはしっかり握るものではない

土屋さんはハンドルをギュッとは握らない。「ハンドルは握るとよいうより手を置くだけ。ハンドルに手を添えて、指先を丸めているだけといった状態。握り込んでしまうと、それこそ肩肘が張ってしまう」。
ハンドル操作は力を抜いて、確実性が第一。とくに切っていくときよりも戻していくときの繊細さが重要。大雑把なハンドルワークでは、アンダーステアの少ないコーナリングは身につけられないので、シート合わせは念入りに!
ペダルワークは基本に忠実ではあるが、細分化された操作が求められる

「ブレーキで曲がる」「アクセルも曲げるに活用する」ような荷重移動においてペダル操作がひとつのカギを握っているのはたしかだ。しかし、特殊なペダルワークを用いるわけではない。ただし、スイッチのようなペダル操作はNGだ。
ブレーキならフルブレーキから連続性のある戻し方。そして料理の「追いバター」ならぬ「追いブレーキ」も。アクセルなら全閉、2 ~3割、ハーフ、7 ~ 8割、全開と5段階ぐらいは、使い分けられるようにする。
フルブレーキはかかとを浮かして一挙に踏む

ブレーキのペダルワークもふたとおり使い分けている。ビッグブレーキが必要なときは、かかとを浮かして一挙に強く踏み込み、それ以外の制動や荷重移動のためのブレーキの際は、かかとを支点にしてより繊細に行う。
ヒール&トーはかかとではなく足の側面を使っている

ヒール&トーで重要なのは、アクセルをブリッピングするときにブレーキの踏力を変えないこと。そのためには足首の捩れを最小限にしたいので、写真のとおり、かかとではなく、足の真ん中付近の側面で踏む。
シフトワーク
ノブは握り込まず、動かす速さより正確さを重視

「シフトワークは手のひらと指の操作だね」。土屋さんはシフトレバーを握らない。奇数のギアは手のひらで軽く押し込み、偶数の段は指先で手前に引く。
力を極力入れないことで、シフトゲートに逆らわずに、正確に操作することを第一に心掛けている。シフト操作を焦ってシフトミスをすると大きなタイムロスになるので、シフトワークは速さよりも正確さ確実さに重きを置く。そしてリズムよく、シフトショックも限りなくゼロを目指す。
押すは「包む」

引くは「手を添える」
2速、4速は指先でスッと引くように操作。ぎゅっと握り込んだり握力を使うような瞬間はない。
土屋さんのシフトワーク(1速→5速)





6月12日 19:00配信予定 第2回の内容は?

次回(第3回 6月19日 19:10~配信予定)は
ターンインでの舵角とペダル操作の誤解について
クラブマンは「曲げるブレーキ」で「ブレーキを抜く」一方
土屋流は「曲がるまで何発でもブレーキを足してやる」
次回もお楽しみに!

■REVSPEED https://motor-fan.jp/publisher/revspeed/






