中国生産のバイクが増えている。単に増えているだけでなく市民権を獲得しつつあるように感じるのは、安いだけでなく、性能や信頼性も高めてきているからだろう。今回取り上げるクインキーのクラシック250は、50万円を切る車体価格で大きな注目を浴びているモデル。果たしてその走りはどんなものなのか。ストリートで検証してみることにした。
中国の老舗バイクメーカー
中国では二輪の新興メーカーも増えているが、今回紹介するクラシック250を生産しているQINGQI(クインキー)は、1956年に中国・山東省済南市で誕生した老舗モーターサイクルメーカーだ。中国初の民生用モーターサイクルを開発したメーカーとして知られ、中国二輪産業の発展を支えてきた存在でもある。
同社は早くから海外メーカーとの技術提携を進めており、1980年代にはスズキの製造技術と設備を導入。小排気量モデルを中心に生産技術を高め、1990年代にはスズキとの合弁会社を設立した。その後もプジョー・モトシクルや韓国KR Motors/HYOSUNGとの合弁事業を展開し、QINGQIとHYOSUNGの両ブランドをグローバル市場に供給している。

クインキー・クラシック250……499,400円
二輪車、エンジン、部品、汎用機などを手がける総合二輪メーカーであり、中国国内では実用車、スポーツバイク、クルーザー、スクーター、オフロードモデルまで幅広く展開。海外ではQINGQIブランドまたは現地ブランド/OEMの形で販売されていて、日本、パキスタン、英国、ナイジェリアなど、105カ国への輸出実績を持ち、世界で8000万人のユーザーがいる。
クインキーの輸出型ビジネスの先駆けとなったのは、2004年に登場した200ccクラスのデュアルパーパス/オフロード系モデルQM200GYだ。スズキDR200をベースに開発されたこのモデルは、中国オフロードバイクのパイオニア的存在となり、2011年にはタクラマカン・ラリーで1位を獲得した。
レトロなストリートバイク
今回日本に導入されたCLASSIC 250は、空冷250cc単気筒エンジンを搭載し、クラシカルなスタイルと扱いやすい車体構成を組み合わせている。手頃な価格設定に目が行きがちだが、中国の老舗メーカーが長年の技術提携と生産経験を背景に送り出す、現代的なネオクラシックモデルなのである。
ティアドロップ型タンク、クラシカルなダブルシート、メガホンマフラー、前後17インチホイールを組み合わせ、スクランブラー風のブロックパターンタイヤを履く。
エンジンは249cc空冷SOHC2バルブ単気筒。最高出力は13kW/17.7PS/7,500rpmで、最大トルクは18Nm/1.84kgf・m/6,000rpmとなっている。
全長2,060mm×全幅800mm×全高1,150mmで、ホイールベースは1,380mmとなっている。
最低地上高は210mm。車両重量は148kgで、扱いやすい車体サイズ。メーカー希望小売価格は499,400円と、50万円を切っている。
兄弟モデルとして BIGFOOT250スクランブラーもあるので、そちにの試乗記も参考にしていただきたい。
BIGFOOT250スクランブラーレポートはこちら
ストリートを考えたエンジン特性
エンジンは空冷の割にメカノイズが少なめだ。操作系がソフトな感じでクラッチレバーを素早く離してもガツンというつながり方をしない。最初はクラッチの容量が少ないのかとも思ったが、滑っている感じはない。半クラッチのストロークが長く、つながり方が穏やかなのだ。
ミッションのタッチもソフトで、軽くギアが入る。カチッとしたタッチではないので最初は心もとなく感じてしまったが、試乗していてもシフトミスやギア抜けはなかった。こういったフィーリングは初心者にはとても乗りやすく感じるかもしれない。
エンジンは特にトルクフルという感じではないのだけれど、ストリートを走るのであればまったく不足は感じない。特に低中回転域では、適度な単気筒の鼓動感を伴って気持ちよく回る。トップギア3000rpmでは55km/h。街中を走るのであれば、トップギアのまま交通の流れに乗って走ることができる。フレキシビリティに富んでいるから、忙しくシフトチェンジをする必要はない。エンジンの回り方には雑味がなくスムーズ。ガサガサとした感じがないので、走っていてもストレスがない。
高回転まで引っ張ってみると、特にパワーが盛り上がってくるわけではないが、レブリミットまではきれいに回る。エンジンがストレスなく回ってくれるのは、3000rpmあたりから8000rpmくらいまで。振動は4000rpmぐらいからハンドルに、6500rpmくらいからシートに少し出るが、回転が上がってもひどくなるようなことはない。単気筒エンジンとしては、振動対策をかなり頑張っている感じがする。
最近の同クラスのバイクと比べて、スロットル開け始めのレスポンスが鋭いような印象があった。それほどパワーがあるバイクではないので気になるほどではなく、むしろストリートを快活に走るための味付けと考えられるレベルなのだが、スロットル開け始めがもう少しだけおとなしく調教されていれば、さらに乗り味が上質になりそうな気はする。
安定感のあるハンドリング
ハンドリングには独特のテイストがある。フロントタイヤ、リアタイヤともに120/90-17で、フロントタイヤとしては太めのサイズだ。フロントの動きが鈍いのではないかとも思っていたけれど、うまくまとめられていて、基本的にコーナーリングは素直。ストリートでのコーナーリングも気持ちよく楽しめる性格だ。ただし、バンクさせてもフロントが俊敏にレスポンスするわけではない。何気なく乗っても安定感があって乗りやすい性格だけれど、ライダーが意識してステアリング操作をしてやれば機敏に動かすこともできる。
50万円を切る価格設定ということで、どんな走りを見せてくれるのかと思ったけれど、エンジン、車体ともにしっかりと作られていることが分かった。何か突出した部分があるわけではないけれど、こういうストリートバイクにとって、それは大事な要素であることは間違いない。カスタムも含めて、色々な使い方に対応できるバイクだろう。
ポジション&足つき(身長178cm 体重78kg)
アップタイプのハンドルによってポジションは自然。疲れにくく、ストリートでバイクを操作しやすい。跨った状態ではリアショックが硬めで、ダンピングが効いていない感じがするが、実際に走ってみると、乗り心地は若干硬めかなと感じる程度だ。
このクラスとしては足つきは良好な部類だろう。シート高が790mmということに加え、車体がスリムだからバイクを支えるのは容易だ。
テスターの身長だと両足の踵がべったりついて膝が曲がる。ハンドルが大きく、切れ角も十分に確保されているので、取り回しや押し引きもやりやすい。
ディテール解説

















主要諸元
| エンジン形式 | 空冷4ストローク単気筒 |
|---|---|
| バルブ方式 | SOHC 2バルブ |
| 総排気量 | 249cc |
| ボア x ストローク | 72.0mm x 61.2mm |
| 圧縮比 | 9.2 : 1 |
| 最高出力 | 13kW(17.7PS)@7,500rpm |
| 最大トルク | 18Nm(1.84kgf.m)@6,000rpm |
| 燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
| 始動方式 | エレクトリックスターター |
| 潤滑方式 | ウエットサンプ |
| エンジンオイル容量 | 1.4リットル |
| 使用燃料 | レギュラーガソリン |
| クラッチ形式 | 湿式多板 |
|---|---|
| トランスミッション形式 | 5段リターン |
| ファイナルドライブ | チェーン |
| 1次 / 2次減速比 | 3.24 / 2.87 |
| ギアレシオ | 2.64 / 1.69 / 1.20/ 0.95 / 0.82 |
| フレーム形式 | ダイヤモンド |
|---|---|
| キャスター | 28° |
| サスペンション フロント | テレスコピック(φ37mm正立フォーク) |
| サスペンション リア | スイングアーム(ツインショック) |
| ブレーキ フロント | φ295mmシングルディスク / ピンスライド2POTキャリパー(ABS) |
| ブレーキ リア | φ210mmシングルディスク / ピンスライド1POTキャリパー(ABS) |
| タイヤサイズ フロント | 120/90-17 |
| タイヤサイズ リア | 120/90-17 |
| ホイールサイズ フロント | 17 X 2.50 |
| ホイールサイズ リア | 17 X 2.50 |












