タイを拠点とする「K-SPEED」は、数々のショーバイクを手がけており、海外のカスタムシーンでは名の通った存在。今回そのクオリティを維持したコンプリート仕様のスーパーカブ110(2BJ-JA44 )が日本限定で発売された! 今回紹介するのは、3種類あるラインナップの中で最もクラシカルなボバースタイル。じつはこれ、コンプリート販売されているというのだから驚きだ。 REPORT●佐藤恭央(SATO Yasuo) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
●TOKYO STREET(K-SPEED製スーパーカブ110カスタムコンプリート)……79万9200円
●問い合わせ・オーダーはK-SPEED JAPANのWEBサイト(http://www.k-speed.jp/)から

カブ改のトレンドを敏感キャッチ! 妥協を許さないデザイナー魂
スーパーカブは世界中で愛用されているのは周知の事実。とくにアジア圏ではそのタフネスを遺憾なく発揮しビジネスシーンから“庶民の足”としても大活躍している。 そんなカブのカスタムシーンが近年大盛り上がり! 以前からカスタムやチューニングが人気はあったのだけど「乗ってなんぼ!」のバイクでもあるので前面的にアピールされることは少なかった。しかし、そのカスタムムーブメントは日本国内を飛び出し、やはりワールドワイドに影響が広がっている。 さて今回紹介するのはタイのK-SPEEDがこしらえた一台。同社はカスタムパーツの開発からワンオフマシンの製作まで行い、本国のタイホンダや各企業からも直々にオーダーを受けてショーモデルを製作する屈指のメーカーで「ディアブロ」といったオリジナルブランドも展開。ハードなアメリカン用パーツを主にラインナップしており、ドイツやアメリカなどでも高い人気を博している。また過去に発表したカスタム車はファッション系WEBメディアでも報じられたほど一般層から見てもスタイリッシュであり、感度の高いユーザーから一目置かれている。 前置きが長くなったが、このカスタムカブをデザインしたのはK-SPEEDのタナディット・サラウェク氏。代表を務める傍らデザイナーとしても活躍するだけあって見た目にもとことん注力されており、イチから起こしたFRPボディや絶妙なロー&ロングフォルムなどよってご覧の通り非常に洗練されたヴィンテージボバーをメイク。中でも前後に4J幅のリムを組んだファットな足周りがインパクトを放っている!
日本の職人が組むから安心・安全。見た目同様に乗り味も独特だった!

ワンオフパーツで構成された世界に一台限りかと思いきや、じつはこの車両がコンプリート車として日本で発売されているというのが最大のトピック! 基本的にショーモデルのみを製作し、同じものは二つと作らないポリシーを持つタナディット氏にとってこれは異例中の異例なのだ! ベースとなるのは現行(新車)のスーパーカブ110または50(※要相談)なので中古車のような経年劣化や個体差によるデメリットがなく、パーツは基本的にボルトオンとなっているから脱着もしやすく整備性にも抜かりがない。 このコンプリート車の専用部品(マフラー除く)は日本で組み立てられ、信頼のおけるビルダーの手によって丹念にセットアップされるから安心して走ることが可能だ(なお写真は一部が試作車)。ちなみに本国のタイでこれと同様のカスタムを施した車両を8台限定で販売したところ、1時間も経たずにSold outになったとか! 実際に試乗してみると、最初は太い足周りに違和感を覚えたが、どっしりとした乗り味は直進安定性が高いことに気付いた。クッション性に優れるシートはお尻の据わりもよく、低く構えたナローバーと相まって操作がしやすい。軽快さはスポイルされるのでコーナリングはやや苦戦するが、車体に体を預けてリヤ荷重で曲がるのを意識すればクイックに旋回できる。110のパワーがあれば登り坂や交通の流れにも十分に対応できるだろう。
ワイルドなブロックタイヤ仕様も! 好みで選べる3種のバリエーション

このコンプリート車は3パターンが設定されていて、試乗・撮影したのは「TOKYO STREET」と名付けられたモデル。他にはアップマフラーにブロックパターンを装着し、爽やかなライトブルーとオレンジを織り交ぜたポップなカラーリングを採用した「TOKYO SCRAMBLER」と、このモデルをベースにレッグシールドを取り除き、アップライトなハンドルを装着した「TOKYO FUNKY」がラインナップ。いずれもタナディット氏が手掛けた渾身のデザインであり、全体的にスッキリとした雰囲気を持たせることで日本のライダーの嗜好に沿ったメニューとしている。ともあれ街中で目立つことは請け合いだ! これらコンプリート車の価格は79万9200円で、スーパーカブ110の新車価格の3倍弱するが、純正状態からこのクオリティまでカスタムする手間や費用を考えれば安いもの……かもしれない。 最後に「色を変えたい」とか「排気量アップしたい」など、もっとこうしたいという希望もあると思うけど、K-SPEED(タナディット氏)の強い要望もあって納車前のパーツ変更やカラーリング変更は不可となっている。もちろんパーツ単体での販売も行っていないのであしからず。それだけこのデザインに自信を持っているということの証であり、一つの芸術作品を手に入れると考えれば納得である。 このコンプリート車両についてのお問い合わせ・購入申し込みはK-SPEED JAPAN(バンブーホーネット)のWEBサイト(http://www.k-speed.jp/)から可能だ。関東圏なら試乗の出張サービスも行っているので気になっている人はぜひチェックしてみよう。組み立て・販売店については最後に紹介しているので要チェック!




センス溢れる若きデザイナー!

●K-SPEED代表Tanadit Sarawek氏 2002年にK-SPEEDを創業。当初は主に旧車やパーツを個人で輸入・販売からスタートし、今では11支店を構えるまでに成長を遂げた敏腕の43歳! その間に類まれなデザインセンスを持ってショーモデルを製作。徐々に頭角を現し、様々な企業からオーダーを受けるまでに! 幼少時から貿易業を営んでいた父の影響を受け、バイクやアニメ、アイドルなどの日本文化にも詳しい。
●ディテールチェック








他にも2種類のコンプリート車を用意!


「TOKYO SCRAMBLER」はブロックパターンのタイヤに加えてコントラストが効いたカラーリングが魅力のシティビークルだ!


カブのアイデンティティであるレッグシールドをスポイルし、スリムなアップハンドルで大体にイメチェンを計った「TOKYO FUNKY」。
組み付け・販売は四輪レストア・カスタムの老舗が担当!

■BPコーポレーション 埼玉県入間市宮寺3068-4 Tel:04-2934-7484 https://www.bpcorporation.jp/index.html 車の鈑金・塗装からスムージング、各パーツの加工などをメインに行うカスタムショップ「BPコーポレーション」がこのK-SPEED製コンプリートマシンの組み立て・販売を行う。とくにアメ車やスポーツカーの旧車(スカイラインGT-Rなど)のレストアでは知る人ぞ知る存在でその腕は確かなもの!

担当の近藤和彦さんもカブ乗りで、自身でイジったショーモデル級のカブを毎日の通勤に使っている。近藤さんによると「このコンプリート車は、パーツの質感や精度が良くクオリティはかなり高いですね。しっかりと組み付け・整備して送り出しますのでご安心ください。またマフラーは政府認証モデルではありませんので、単体でのお渡しになります」とのこと。納期はオーダー後、約1か月~2か月が目安。

スーパーカブの情報は全部オマカセ! 「モトチャンプ 2019年8月号」 カブで遊ぼう! ・THE WORLD OF CUSTOM SAMPLE – 世界のカスタムサンプルが大集合 ・日本、アメリカ、タイのお手本改 / カブカスタムのルーツを教えて! / 知っておきたい雑学集 etc. ツーリングの必需品・インカム+α厳選カタログ 達人対談・NSR250Rマニアックトーク スクーター好き必見・三輪バイクが楽しい!
