基本情報

CX-5は、マツダが製造・販売する5人乗りのクロスオーバーSUVである。初代モデルは2012年に発売され、マツダの新世代技術であるSKYACTIV技術と、デザインテーマ「魂動 -SOUL of MOTION-」を全面的に採用したモデルとして登場した。
2026年5月に日本で発売された現行型は3代目にあたる。ボディサイズは全長4,690mm、全幅1,860mm、全高1,695mmで、2代目よりホイールベースを延長し、室内空間や荷室の使い勝手を高めている。
パワートレインは、2.5L直噴ガソリンエンジンにマイルドハイブリッドシステム「M ハイブリッド」を組み合わせた「e-SKYACTIV G 2.5」である。駆動方式は2WDと4WDを設定し、トランスミッションには6速ATを組み合わせる。
現行型の代表グレードは「S」「G」「L」の3種類。Sは価格を抑えたベーシックグレード、Gは装備と価格のバランスを取りやすい中核グレード、Lはレザーシートや大型センターディスプレイ、ハンズフリーパワーリフトゲートなどを備える上級グレードという位置づけである。
代表グレード例
| 項目 | S/G/L |
| 車名・型式 | マツダ・5AA-KMYSDP |
| 駆動方式 | 2WD(FF)/ 4WD |
| 乗車定員 | 5名 |
| 全長×全幅×全高 | 4,690×1,860×1,695 mm |
| ホイールベース | 2,815 mm |
| 最低地上高 | 205 mm |
| エンジン型式 | PY-VPH型 (直列4気筒) |
| 総排気量 | 2.488 L |
| エンジン最高出力 | 131 kW [178 PS] / 6,000-6,200rpm |
| モーター最高出力 | 4 kW [6.5 PS] |
| トランスミッション | SKYACTIV-DRIVE(6EC-AT) |
| WLTC燃費 | 15.2 (2WD) / 14.2 (4WD) km/L |
CX-5 変遷
CX-5の原点は、2011年に発表されたコンセプトカー「勢(MINAGI)」にある。同年9月にはフランクフルトモーターショーで市販モデルが世界初公開され、翌2012年2月に日本で発売された。
初代CX-5は、マツダの新世代技術を全面採用した初の市販車として登場した。SKYACTIVエンジン、SKYACTIVシャシー、SKYACTIVボディを組み合わせ、走行性能と燃費性能、衝突安全性能を高い水準で両立したことが特徴だ。
また、初代では2.0Lガソリンと2.2Lディーゼルターボを中心に展開され、後に2.5Lガソリンも追加された。特にクリーンディーゼル車は力強いトルクと燃費性能の両立によって注目を集め、CX-5の人気を支える大きな要素となった。
2016年には2代目CX-5が世界初公開され、2017年に日本で発売された。2代目では、初代の基本的なサイズ感を維持しながら、内外装の質感や静粛性、乗り心地を高めている。さらに、G-ベクタリング コントロールなどの車両運動制御技術も採用され、マツダらしい「人馬一体」の走りがより洗練された。
その後、2代目では商品改良が重ねられた。2018年には2.5Lガソリンターボエンジンやディーゼル車の6速MTが追加され、2021年以降も内外装の改良や特別仕様車の設定などが行われた。モデル末期まで商品力を維持し続けた点も、CX-5の特徴である。
2025年7月には3代目CX-5が欧州で世界初公開された。2026年5月には日本でもフルモデルチェンジが行われ、S、G、Lの3グレード構成で発売された。
3代目では、ホイールベースを2代目から115mm延長し、後席や荷室の使い勝手を向上させている。また、12.9インチまたは15.6インチの大型センターディスプレイ、進化した安全装備、360°ビュー・モニターのシースルービューなど、日常での扱いやすさも高められた。
CX-5は、初代でマツダの新世代商品群の象徴として登場し、2代目で質感と走りを熟成させ、3代目で居住性や使い勝手を大きく引き上げたモデルだと言える。
CX-5 販売台数推移
CX-5の近年の国内販売台数は以下のとおりである。
- 2022年:31,399台
- 2023年:25,714台
- 2024年:19,418台
- 2025年:24,520台
販売台数を見ると、2022年の31,399台から2023年、2024年にかけて減少していることがわかる。特に2024年は19,418台まで落ち込んでおり、2代目モデルの販売期間が長くなったことや、SUV市場の競争激化が影響したと考えられる。
一方で、2025年は24,520台となり、前年の19,418台から増加した。前年比では約26.3%増であり、モデル末期でありながら一定の需要を取り戻している点は注目できるポイントだ。
また、2026年に発売された新型CX-5の国内月間販売計画は2,000台である。2025年の販売台数を月平均にすると約2,043台となるため、新型の販売計画は直近の実績に近い水準に設定されている。
この数字から見ると、CX-5は近年大きく台数を伸ばすというより、一定規模の需要を維持しているSUVであり、マツダの国内販売を支える主力モデルの一つであることが分かる。
3代目への切り替えによって、今後どこまで販売を回復できるかが鍵を握っている。
CX-5の魅力
CX-5の魅力は、SUVとしての実用性と、マツダらしい走りやデザインを両立している点にある。
まず、現行型ではボディサイズを拡大し、後席や荷室の使い勝手を高めている。ホイールベースを延長したことで後席空間に余裕が生まれ、荷室も定員乗車時にゴルフバッグ4つ、またはスーツケース4つを積める容量を確保している。
走行面では、2.5L直噴ガソリンエンジンにM ハイブリッドを組み合わせたe-SKYACTIV G 2.5を採用した。日常走行で扱いやすい動力性能と燃費性能を両立し、市街地から高速道路まで幅広い場面で使いやすいパワートレインである。
また、マツダが重視してきた「人馬一体」の走りも磨かれている。ダンパーやパワーステアリングの制御を見直し、軽やかな操舵感と安心感のある乗り味を目指している点は、単なるファミリーSUVにとどまらないCX-5らしさだ。
室内では、大型センターディスプレイや直感的な操作系、上質な内装が特徴である。Sは実用的な装備を備えたベーシック仕様、Gはパワーリフトゲートなどを備える中核仕様、Lはレザーシートや15.6インチセンターディスプレイ、アンビエントライトなどを備える上級仕様となっている。
安全面でも、i-ACTIVSENSEが進化している。プロアクティブ・ドライビング・アシスト、ドライバー異常時対応システム、ドライバー・モニタリング、360°ビュー・モニターのシースルービューなどを備え、日常の運転負荷や不安を減らす機能が強化された。
デザイン面では、「Wearable Gear」をコンセプトに、都会的な上質さとSUVらしい力強さを両立している。シンプルでありながら存在感のある外観と、落ち着いた室内空間は、長く乗るSUVとしての満足感につながる。
CX-5は、派手なスペックだけで勝負するSUVではない。走り、質感、使い勝手、安全性能をバランスよくまとめた総合力が魅力のモデルである。
まとめ
CX-5は、マツダにとって単なるSUVの一車種ではなく、ブランドの方向性を示してきた重要なモデルである。初代ではSKYACTIV技術と魂動デザインを広く知らしめ、2代目では質感や走りを熟成させ、3代目では居住性や使い勝手を大きく高めた。
近年の販売台数は一時的に落ち込んだものの、2025年には回復傾向を見せている。2026年に登場した新型では、月間販売計画も直近の実績に近い水準に設定されており、マツダの国内販売を支える主力SUVとしての役割は今後も大きい。
現行型は、強い個性で尖るというより、走り、快適性、荷室、安全性能、デザインを高い水準で整えたモデルである。日常の移動から週末のレジャーまで自然に使えるSUVを求めるユーザーにとって、CX-5は引き続き有力な選択肢だと言える。
