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松井孝允 スポーツドライビングの基礎固め 第4回 アウト・イン・アウトのライン取りとアクセル・ブレーキ・ステアリングの連携

「サーキットを走ってみたい!」スポーツドライビングをこれから始めようと考えている入門者に向けたドラテク講座の「超」基礎編を、レーシングドライバー松井孝允がレクチャー。 その『おさらい』となる内容はタイムが伸び悩む中級者にも有効だ。自身の壁の突破にも役立てていただきたい。 Photos/高橋 学 Text/鈴木 博 本記事はレブスピード 2019年5月号からの抜粋です。

アクセルを開けるタイミングが変わる

駆動形式ごとにドライビングは変わるのか? 松井選手の答えは明解で「ブレーキ、ステアリング、アクセルの操作は変わらない」

違いはコーナーを立ち上がって、加速へ移るアクセルONのタイミングだ。それゆえに走行ラインも少し異なる。エンジンパワーが掛かる駆動輪とステアリングにつながる操舵輪が同じか、別々か。車両の構造に応じた運転を知っておきたい。

FF(前輪駆動)は、フロントタイヤで駆動と操舵を同時に行う。それに加えてアクセルONで車体のリア荷重が増えると、リアが沈んでフロントが持ち上がる。ゆえに舵角がやや残った状態でアクセルを開けると、フロントタイヤのグリップが弱まってアンダーステアの原因になる。それがいわゆるプッシュアンダーステアだ。

アクセルONのタイミングは、クルマの姿勢が真っ直ぐに近づいてからが理想。そのためにもコーナー進入から立ち上がりまでの走行ラインは、基本形のU字より気持ちV字状を取るとアプローチしやすくなる。

続いては4WD(4輪駆動)。その中でもAWD(直進では4輪に常時エンジンパワーが掛かる)の例だ。4輪でパワーを路面に伝え、その加速は強烈。しかし、そのままではコーナーで前輪と後輪の回転差を吸収できずに曲がらない、タイトコーナーブレーキング現象が乗じる場合もある。

その対策として、多くのAWDは左右の駆動輪ごとの差を受け止める通常のデファレンシャルに加えて、前後の差を吸収するセンターデフを備える。

つまり、AWDは生来の性質としてアンダーステア傾向を持つ駆動方式といえる。よって、アクセルONはFF以上にクルマが真っ直ぐになってから。優れたトラクション性能を活用するため、コーナー進入から立ち上がりまでの走行ラインはよりV字に近づける。

コーナーの中でステアリングを切る量こそ増えるが、素早くクルマの向きを転換させることで、次のコーナーまでの直線区間が稼げる。するとアクセルの全開時間が長くとれるため、AWDの強みを速さに活かせる。

操舵輪と駆動輪が完全に独立するFRは、アクセルONでフロントが持ち上がり、リアが沈むような動きを見せる。

ただし、重量配分がFFや4WDはフロント寄りなのに対して、前後のバランスはよく、フロント側にエンジンの重さで前荷重が適度に掛かるため、タイヤの接地性は比較的良好。

そのうえで、リアからクルマを前に押し出せるので、セオリーどおりのアウト・イン・アウトのU字ラインを取りながらアクセルONのタイミングが最も早められる。

コーナーの中での安定感も高いが、もちろんラフなアクセルONはご法度。途端にクルマが滑り出す原因になるので、丁寧にかつ徐々にスロットルを開く感覚を持ちたい。


次回(8月28日 19:10~公開予定)は……

第6回 アンダーステア/オーバーステアの原因と対応法

お楽しみに!


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